翔くんが僕の胸の上に頭を載せて。
また、胸の音を聴くみたいにしてる。

規則正しく打っているだろう心臓の音。
落ち着いたゆっくりめの呼吸音。

くっついてる僕も翔くんのその音を感じてる。


翔くんの高めの体温も伝わってくる。



「・・・ベッドがよかったな・・・」

自分の声が思ったより掠れてて、ちゃんとした声が出ないことに、しゃべって気付いた。
さっきまでは、ちゃんと出てたのに。


「声、掠れてるね」
「翔くんのせい」

僕の言ったことはスルーなんだ?
意地悪なんだよね。


「なんで、ベッドがよかったの?」

で、また、唐突に話題戻すし。


「落ち着いてゆっくりできるでしょ?」
「ふーん・・・智くんはじっくりがよかったんだ?」

じっくり、じゃなくて。
ゆっくり、ね。


「まだ・・・不満?」
「ちがっ・・!」
「智くんから誘ってきたくらいだもんね?」

からかうような口調で。
目つきは本気で。
手つきは優しくて。

キスはヤラシクて。





僕の希望は叶えられた。





そこでは・・
おいで。なんて穏やかには言えない。
きて、はやく。って・・・懇願した。