ある日。
翔くんがイライラしてた。





ニノずるい!
なんでいつもいつも智くんはニノとくっついてるの?
収録中にスキンシップして、裏でも一緒にいて。
俺だって、智くんといちゃっとしたい!
番組中でも、裏でも。

翔くんとは家でできるでしょ?
ニノはね・・・
誰かがかまっててあげなきゃいけないの。
強がってるけど弱くて。
殻で守ってるけど中は柔らかくて弱い。
カニみたいなんだから。
いつだって自分がそこにいていいのか?って考えてる。
そこにいて欲しい、って。
誰かが分からせてあげないとね。
中から崩れるんだよ。

ニノってそんな?
・・・でも・・・俺だって弱いよ。
殻で守ってて、余計なことをシャットアウトしてるけど。
余計なこと見て、どっと疲れることもあるし。

それはさ・・僕が側にいるから。
そんな時は、僕によっかかればいいよ。
僕はそんなの見ない、知らない。
だから、余計なこと考えないで翔くんを抱きしめてあげられる。
知らない、ってことは、時には強くあれるんだよ。
僕は翔くんのために強くいたい。
いつだって、疲れた翔くんを抱きしめてあげられるように。

智くん・・・・

ん・・おいで。






ニノが僕に絡むことに何か言う時の翔くんは・・・
僕によっかかりたい時なんだよね。
自分が男だ、智くんを守らなきゃ、強くなきゃ。
って思ってるから・・ただ、素直に弱みを見せて甘えられない。
だから、素直に甘えてくるニノが羨ましいんだよね。

また、何か見ちゃったのかな?

弱々しい笑いを浮かべて、僕の腕の中に素直に入ってきた。
そんな時の翔くんは何も言わず。
いつものように余計なこともせず。
ただ、じっと。
僕に抱きしめられてる。


翔くんの頑張りは僕が一番知ってる。
大丈夫。
きっと成果が出る。
頑張りの全てが全部が全部実になるわけじゃない。
でもね・・若いころと違って、方向違いの頑張りをすることは減ってるんじゃないかな。

言葉にはしないけど。
口下手な僕が言っても・・・だし。




言葉の代わりに僕は翔くんが自分から離れていくまで。
ずっと抱きしめる。