ひらひらと花が舞う頃。
あなたはやってきた。



いきなり鳴ったインターホン。
セキュリティの厳しいこのマンションではセールス目的の訪問者は来ない。
画面を見てみると、心細そうな顔のあなた。
なんで俺のところに?




俺に部屋にやってきたあなたは春の香りを頭に付けてきていた。



「桜の花見たら、翔くんのこと思い出して・・・
そしたら会いたくなったから・・・来ちゃった」



桜の花びらが二人をつなぐ手紙になってくれたみたい。
あなたの頭にちょこんと乗っているそれを指先で摘んだ。


照れくさそうに微笑んだあなたをそっと腕に包み込んだ。




春の香りのする春の落し物。
桜からの手紙を手帳に挟み込んだ。





ひらひらと花が舞う頃。
俺とあなたの新しい旅立ちの日。




☆★


毎年恒例?に自分でしてる、桜の時期の桜のお話です。
今年の桜はどうかな?
定点観測している神社の裏手の桜、まだ、立ち寄れてません。

いつもの20分品質ですが〜
今年はほんわかかな?(笑)