翔くんさ・・・・
誰のこと見て、あんな目つきになってんの?



テーブルに置いてあった、翔くんが表紙の女性誌。
前に表紙になったときも、かなりドキっとする写真だったけど・・

今回のは・・・別の意味でドキッとする。


ジッと見てると、自分が獲物になった気がして。
逃げられなくなる。

表紙を下にして、テーブルに戻した。




撮影するとき・・・翔くんの目線の先にいたのは・・・誰?
あんな目で見られた人がいるんだよね?


なんか・・・感情がざらつく。




「智くん!」

脳天気に僕の側に寄ってくる翔くん。
僕の今のこの・・ざらついた気持ち・・どうしてくれんの?



「翔くんの・・・バカ!!」

わけもなく、翔くんに腹が立った。
腹に軽くパンチを入れる。
冗談めかしたけど・・実のところは本気で入れたい。


「智くん?」

プイって横向いて、ソファーでクッション抱えて、膝も抱えた。




あ・・・
僕が言いたい言葉。
今、わかった。





「あんな目で見るのは、僕だけにして」