案の定・・・熱が下がった日の夜。
らんは大泣きした。
買ってから、毎日のように試着していたドレスを床に叩きつけて。
ティアラも投げ捨て、プレゼントも放り投げ。

床に突っ伏して・・金切り声を上げて・・・大泣き。

宥めても、宥めても、叫ぶことをやめなくて。
抱っこしようとすると、大暴れ。

覚悟してたけど・・・しんどかった。
僕が・・じゃなくって。

そうしなきゃ、いられない らんの気持ちを想って・・・
しんどかった。


楽しみにしてたもんね。
だいすきな子に着飾った自分を見せたくて。
かわいい、って言ってもらいたかったんだよね?
喜んでもらえるように、って。
その子のすきなもの、ちゃんと自分で聞いてきて。
それを準備して欲しいって、言ってた。

楽しみにしてたのに・・・・ね。


数時間、泣き続けて。
泣きつかれたんだろう。
抱っこすると、僕の胸に顔をすりつけて、グスングスンっていうだけになった。


抱っこでゆらゆらしてたら、ウトウト、眠り始めた。
今日は・・このまま、眠っちゃおうか?

抱っこしたまま、ベッドに入る。
そのまま、横になってもらんは目を覚まさなかった。




翌日、目を覚ましたらんは、すぐにベッドから出た。
急いで、寝室から出て行くから・・追いかけた。


らんは子供部屋に行くと・・・
放り投げた、かずやくんへのプレゼントを拾った。
歪んでしまったリボンを綺麗に直そうとする。
僕が横から手を出すと、泣きそうな顔で僕を見る。

「ママ・・ごめんなさい・・・きれいに・・してちょうだい」

リボンのちょうちょを綺麗に広げた。
ちょっと・・まだ歪んでるけど・・これでいいよね?

「ありがと・・ママ」


らんは、ティアラも拾って、自分用の棚の上に置いた。
ドレスも拾って、ハンガーにかけようとしている。


「らん、えらいね。ちゃんとお片付けできたね。
元気になったら、かずやくんにプレゼント持って行こう?
その時は、ドレスきて、髪の毛くるんってして、ディアラつけて。
かわいくして行こうね?」

目に涙を浮かべたまま、コクン、って頷いて。
いつものように笑ってくれた。





数日後。
僕はらんを連れて、かずやくんの家に向かった。

目一杯、かわいく、おめかししたらんは・・・
ホントのお姫様のようだった。


プレゼントをかずやくんに渡した らんは・・・
嬉しそうに彼からのお礼のキスをほっぺにしてもらっていた。

撮った写真を、フレームに入れて飾っておいた。
らんは嬉しそうに、毎日眺めてる。
3人は・・ちょっとショックだった・・らしい。


なんたって・・・・


らんは僕たちの本物のお姫様・・・だからね。



END

☆★☆★☆★



ちょっと成長した らんちゃんのお話です。
何人かのリクエスト内容をまとめて、お話にさせてもらいました!


リクエスト内容はコチラ。

さんぽさんからのリクエスト。
数年後。保育園、幼稚園での出来事を話す らんちゃん。
男の子の話なんかもして・・・パパたちはどんな?

ころぶたさんからのリクエスト。
ベビーシッターでミタゾノさん出演。

うさこさんからのリクエスト。
お話に出演したい。
薬局の受付とかマンションの管理人とか。


ざっくりな感じでしたけど・・こんなになりました〜


ミタゾノさんはベビーシッターじゃなくて、保育所の先生にさせてもらいました。
あと・・凪は・・ミタゾノさん、観てなくてですねぇ・・
イメージしかないんです・・なので・・あんな感じにしかなりませんでした。
ごめんなさい。

ちなみに〜
かずやくんは「一弥」くんという設定です(笑)