薬局で薬の順番待ち。
うさこちゃんのネームプレートを付けた女性が、そこにいる子どもたちの間を回ってる。
僕のところにも来た。

「今、薬局が混んでいて、かなりお待たせすることになると思います。
申し訳ありません。
寒そうだったら、毛布があるので、お声掛けくださいね?」

メガネをかけてて、落ち着いた話し方。
らんもその女性を見て・・

「うさこちゃんだ・・」
ネームプレートに手を伸ばす。

「うさこちゃん好き?シールあげましょうね」

ポケットから、シールを出して、らんに差し出した。

「ありがと・・・」

らんはニコっと笑って、シールを掴む。
それだけで、もう、疲れきっちゃったみたいに、僕の肩にクテっとしてくる。

しんどいよね・・・
ブランケットの上から背中をさする。
うさこちゃんの女性に頭を下げると、次の子どもに回っていった。


「ママぁ・・・」
らんがしがみついてくる。
今日は・・・ヒッツキムシかな。

誰かに来てもらわないと・・どうしようもないかも。
でも・・インフルエンザじゃ・・来てもらうわけにもいかない。


「ジュース飲む?りんごジュースあるよ?」
「のむ・・・」

ストローから、チューっと吸って、コクンと飲み込んだ。
たった一口だったけど・・
飲み物が飲めるっていうだけで・・・なんか、安心。



薬をもらって、家に帰れたのは・・真夜中になっていた。



グループ:嵐(5)

O:真夜中にごめん。
O:らんがインフルエンザになった。
O:しばらくみんな、立入禁止ね!
O:潤くん、ごめん。明日のクリスマス会、らんは行けない。
O:せっかく準備してくれたのに・・ごめん。
O:らんのおともだちには連絡しておく。
O:お店の予約はそのままで。おともだちだけでパーティしてもらうから。

M:了解。お大事に。大野さんも気をつけて。

N:何か、買っていくものは?
N:明日、時間があるので、必要なもの、持っていきますよ。
N:リストアップして、あとで連絡してください。

A:インフルかぁ・・何日か会えないなぁ・・・大ちゃん、ごめん!
A:クリスマス会・・あんなに楽しみにしてたのにね・・・

S:そうだね・・しょうがないから・・元気になったらね・・
S:また、計画立てれば・・・

O:それは・・・できない。
O:いろんな都合で・・他に日程がなくて。
O:らん・・泣くだろうな・・・


僕たちの仕事の都合。
らんが一番呼びたかった かずやくんの習い事の予定。
かずやくんの兄弟の予定。

そんなのを・・・全部合わせて。
奇跡的に合ったのが・・今日。

もう、年内には・・難しい。

らんがちょっと元気になった時。
大泣きされるのを覚悟した。