実際に頭を載せているわけじゃない。
首と枕の間に出来た隙間に腕を通しておくだけだから。

軽く腕を曲げると、ちょうど肩が抱けて。
何もまとっていない、すべやかな肌に触れる。


それも珍しいことだった。
普段なら、シャワーを浴びたあとはしっかりと、着こむのに。

水気をちょっとだけ残したまま、俺の隣に入り込んできた智くんは・・
縋りつくような目をしていた。

俺の何もかもを。逃さずに欲しがるような・・こんな顔。
初めて見る。


プレゼントに欲しかったもの・・・
ホントはどんなものだったんだろう?

きっと、俺が選んだ品は智くんを満足させなかったに違いない。


智くんが欲しいもの。
何か・・・


では・・ないのかもしれない。



俺の存在を確かめるように、時々、動きまわる手。
寝てるのかと思うと、いきなり呼ばれる名前。
触れるだけのキスを間をおかず、ねだられて。



その日は、ほとんど眠らなかった。
眠らせてもらえなかった。



智くんの目はいつでも、俺を見つめていて。
俺にもそうするように求めていたような気がした。