智くんの誕生日の頃は・・例年、忙しい。

たいてい、ライブツアーの真っ最中。
会場ごとのリハもあるし、地方に行ったりもするから・・
その間、受けられない雑誌のための取材を前倒しにしたり。
レギュラー番組の収録。
年末年始の特番の収録も入ったり・・

それに加えて、今年は俺に新年のドラマの撮影も入って。
正直・・・誕生日当日には、ゆっくりできそうもなくて。


できたら・・ゆっくりとお祝いをしたい。
しょうがないから・・・誕生日のお祝いも前倒しすることにした。

二人のスケジュールを並べて・・お誂え向きのいい日があった。
二人とも、あがりが早そうで。
翌日休み。

この日なら、ゆっくりとしたお祝いもできるし・・・
その後の、夜も・・・時間をあまり気にしなくてもいい。

智くんに連絡をした。
他に約束を入れないように。

なんたって、先輩にも後輩にもモテモテな智くんだから・・
スケジュールが空いている日には、予約を入れておかないと。
どんどん誘われてしまうから。



その日までに、プレゼントの用意をしないと・・・なんだけど・・


俺が・・・大事に使ってたもの。
俺の頑張りを見て。
ずっと寄り添ってたようなもの。

それが、智くんのプレゼントのリクエストだった。
正直・・・・頭抱えるリクエスト。

なんで、こんなものを欲しいと言い出したのか・・・
分からない。


いつもはなんでも、嬉しいよ、と受け取ってくれて。
使ってくれる智くんなのに・・

今年は、俺が選んで買ったものに不満がありそうで・・
問い詰めたら・・・欲しいというものが・・こんなもの。