「なんか・・・落ち込んだだけ。
智くんに、男として負けてるな・・って。
それで・・つい・・・」

「男として?なんで・・そんなこと・・」

「力で負けたから。
俺の方がウェイトあるんだから、引っ張りっこした時には・・
俺の方が断然有利でしょ?
なのに・・・俺の方が引っ張られたから・・・

なんとなく・・落ち込んでた」

「・・ごめん」

「謝るようなことじゃないでしょ。
さ・・・もう、寝よう?もう・・遅いからさ」

「う・・ん・・・・」


智くんは俺に背中を向けた。
そのまま、寝入ってしまうのか?と、思った頃。


「翔くん?」
小さく呼ぶ声がした。

「ん?なあに?」
応えたら、智くんが俺の方に向き直った。



「翔くんはさ・・・僕に、こんなことされたら・・・
僕のこと、嫌いになるのかな?」


智くんは、そう言うと。
俺にのしかかった。
俺は身動きができないようにベッドに縫い止められた。