「翔くん?」
「翔く~ん?」
「しょおくん?」
「翔くんてば!?」


何回、呼んでも、こっち見ない。
ソファーで、膝抱えて、ちっちゃくなってる。



ちょっと開いてた距離を詰めて、翔くんに寄っかかった。


「どうしたの?なんか・・翔くんが落ち込むようなこと、ある?」


顔をのぞき込んだら。
大きい目に涙浮かべてて・・
今にも零れ落ちそう。



「智くんが・・・後輩のメールしたって・・・」

「うん・・・・・」

「約束守れないの謝ったって」

「うん」


だって・・・今月中って約束したのに・・
スケジュールの都合で行けそうもないから。
すごい待っててくれてるみたいだし


「智く・・ん・・・」
あ。涙、とうとう、零れた。
勢いよく、抱きついてきて。

・・痛いってば!



「俺のこと・・捨てないで~~~」

え?なんで、そうなるの??
翔くんの考えてることが、全然わからない!


「今まで智くんから後輩に連絡するなんて!
そんなことなかったのに!!
俺に飽きて、乗り換えようって・・・!?」


違うってば。
二十歳のお祝いしようって、僕から誘ってたから!




「翔くん、大丈夫。落ち着いて・・・」

「俺のこと・・キライにならないで~~~」


全然、話、聞いてくれないから・・
軽く、頭をぽかっと叩いた。



「智くん・・やっぱり、俺のこと、キライになったんでしょう~」

鼻水まで垂らして・・・
だから・・抱きつきすぎ!
痛いってば!



「翔くん。離して」

「さとしくん・・・やっぱり~」

「翔くん!大好きだから!落ち着いて!」



後輩との約束がこんなに伸びちゃったのは・・
翔くんとの時間を確保してたからだって。
どうして、分かってくれないの!?