5回コールして・・・
出なかったら・・諦めよう・・って、思って。

マーくんの携帯に電話をかけた。

1・・・2・・・3・・・やっぱり、もう寝てるのかも。
4・・・5・・

諦めて、通話を切ろうとした、その瞬間。


「にの?」

掠れた声がした。


「マーくん・・・・」

「どうしたの?こんな時間に?なんかあった?」

「マーくんに・・・会いたくなって・・・」


胸が詰まって、それ以上は言葉が出せなくって。
足元ばかり見てたけど。
足元が、明るくなった。

見上げたら、マーくんの部屋に灯りが灯ってて。
窓が開けられる音がして。

マーくんが顔を覗かせた。

「にの!」

電話越しじゃない、マーくんの声。
何週間ぶりだろう。

聞けたことが、嬉しくって。
ここまで、来てよかった。