地球の裏側の翔くんから。
グループみんなへ送られてきた動画。

その場の熱気と。
翔くんの興奮が。

感じられるような・・・動画・・・なんだろうな。



途中まで見て・・・再生を切った。



どんなに上手に撮ってても。
翔くんの上げる声。
観客席の歓声。

いくら聞いても・・・
その場の高揚感までは分からない。


他の3人は、テンション上がって返信してたけど・・・
僕は既読スルー。



翔くんがいない、っていう寂しさが、増しただけだった。



マネージャーが羨ましい。
翔くんと常に一緒にいて。
同じタイミングで、同じ物を見て。
同じように盛り上がって。
一緒に楽しめる。



マネージャーには・・・なれるような資質がない、って分かってるけど。
ただただ・・・羨ましい。



返信・・したくても・・・できない。
翔くん・・そこに僕も行きたい。一緒に見たかった。
それしか、言葉が出てこなかったから。





数時間後、僕だけに送られてきたメッセージ。


<Sho SAKURAI
智くんと一緒に見たかったな。
明日も撮影かな?
おやすみ。



このメッセージで寂しさが薄くなった。
地球の裏側で・・翔くんも同じように感じてくれてるって・・・
分かったから。