「イテ~あぁ~~~ヤバい・・・」

眠ってるところから、翔くんの声で引っ張りあげられる。
寝る前に絡めた指は・・・そのまま。

離れていきそうで。
手に神経が集中した。

でも、離れていくことはなくって。

ブツブツとなんか言いながら、動いてるみたいで。
指にも、力が入ったり抜けたりした。


「ん・・・」

引っ張りあげられた意識をそのまま持ち上げて。
目を開けた。


「あ・・おはよう。
起こしちゃった?
ごめんね。

智くん、こんなところで寝たら、風邪ひくよ?
もう・・起こすのもなんだし・・困ったよ」

いつもの朝のいつもの翔くん。
昨夜の翔くん・・・なんだったの?
わけの分からない不安がまた大きくなりそう。


「ん・・・イタイ・・ってどうしたの?」

「あ~脚が痺れた。変な体勢だったみたいで」

「ごめん・・・僕に付き合ってこんなとこで寝なくても・・
よかったのに」


翔くんの顔が見られなくって。
目を逸らした。