「シャチョーさん・・・キスも自分からはできないんですか?」


ソファーで俺の腕の中にすっぽりとハマって、ゲームをしながら。
カズがつぶやいた。


ゲーム画面とテレビ画面。
どっちに集中しているか分からないけど・・・
今夜はゲームからの音がしない。

いつものチャラリ~ピコンと跳ねるような音。
今日は、聞こえない。



「うん。寝顔眺めてるだけで、しあわせ。なんだって」



オレも・・・・分かるよ。
その気持ち。


側にいてくれるだけで。
笑ってくれてるだけで。


しあわせ。




いつまでも・・・・その笑顔で、いて欲しい。
ただ、それだけを願ってるから。




「カズ・・・笑って」

「なんですか?急に?」


照れくさそうに笑うカズはきっと、オレが考えてることなんて・・
全部分かってるんだろうけど。



オレも・・いつまでもカズの隣で笑っていたい。