恋に不器用な社長の話題から・・

「実生活ではそんなことないんだろう?」

聞かれて。
頭に浮かんだのは、彼女の顔、翔くんの顔。


「ノーコメントです」
答えを返したけれど。

恋していることすら気が付かない社長と。
恋を知っているのに、自分の気持ちがどこに向いているのか分からない自分。

どっちが不器用なんだろう?


会いたい、寂しい。
会いに来て。会いに行きたい。

そんな気持ちも伝えられないような自分は・・
恋に器用なタイプではないと思う。


なんとなく・・翔くんには・・本心を見せちゃいけない。
そんな風に感じることもあって。

僕が本当に考えてること、翔くんに伝えたら。
重すぎて。

翔くんのこと潰してしまいそう。
だから・・・・きっと僕は一歩引いてるくらいのほうが・・

翔くんには、ちょうどいいんだろう、と思う。


ただ・・一歩引いてるから・・・
翔くんに引かれると・・その間が二歩・・三歩・・って。

どんどん開いていって。
追いつけない。
手が届かないところまで行ってしまう・・んだろう、って思ってる。


そうなったら・・・僕は・・・


追いつけるように、走ればいいのか。
それとも・・・

そのまま、離れてしまったほうがいいのか。


翔くんが僕から離れたい・・って、思うのなら。


離れるべき・・・なんだろうな・・・