あとの問題・・・・・
なんだっけ?もう一つ、言わなきゃいけないことがあった。


「あ!思い出した!珠だ!

ニノ、あの珠、捨てたんだろ?
身を守るためにも、ちゃんと見つけないと」


ニノは、哀しそうに微笑んだ。

「見つかるといいですけども。
さっきから、床の上、見てたんですけど・・・
見つけられないんです。
そっと、転がしただけなのに」


「手、握ってみ。
手の中に空間を作るように。

大事なもの、包むようにな」


ニノが手を組んだその上から。
オイラも手を添えて。


「これで・・・心の底から、珠に戻ってこいって、呼んで」


ニノは目を閉じて。
口の中でブツブツと言葉を作り始めた。

うん。
しっかり。

力があるものの言葉は・・・それ自体が力を持って。
言霊となる。





「戻れ!」

ニノとオイラが同時に唱和した。
その次の瞬間。


包むように組んだ手の中から、黄色い光が漏れだした。
添えていた手を開くようにして。
ニノにも、目線で促す。


ニノがそっと、手を開くと。
その掌の中に・・・


ニノの珠が現れていた。