「カズ」から「ニノ」に呼び方が変わったから・・
センセーの中で、時間が切り替わったのが分かった。


センセーの修行中の話。

じゃあ・・自分は?
センセーに守っていただいて・・自分の方法を模索する?

それは・・センセーの負担が大きすぎるんじゃ?


「変な遠慮されたら困る。
力を持つ躰を乗っ取られたら・・・大変なことになる。
それは、ニノだって分かるだろ?」

「分かります・・・」

「で・・だ。
オイラ、ニノの家に結界を張ってある。
オイラの目の届かない時に、乗っ取られたら困るから。
ニノは気づいてないと思うけど。
ただ、離れていると、張りにくい。
だから・・・引っ越しして欲しい」

「え?そんな・・ことまでして・・・」


気づかないだけで・・・
どこまでセンセーはワタシのこと、見ていてくださったんだろう?


「うちの隣に一部屋空き部屋がある。
そこに引っ越して来い」


頭のなかで、生活費の計算をした。
家賃・・・いくらなんだろう・・?


「家賃はかからない。
このビルはオイラの持ち物だから」




有無を言わさず、引っ越すことが決まった。