これからのこと、何も話さずに昨夜は寝ちゃったし。
今朝は今朝で・・・カズの可愛さについ・・・・


でも、ちゃんと、これからのこと、話さないと。

今回のことではっきりした。
ニノには、ちゃんと力を付けてもらわないと。
自分の身を守ることすら危うい。

意識を通じさせたから、おおよそのところはニノにも分かっていると思う。
でも、ちゃんと理解させておかないと。
ニノには相当な覚悟が必要だから。






シャワーして、服を着て。
洗濯が必要な物は、洗濯機に放り込んで、作動させる。


「コーヒーがいい?煎茶がいい?」

二人でコーヒーにした。
ニノはブラック。
オイラは・・・お子様味覚ですね、ってからかわれた。


カップを手にしながら、ニノはオイラをじっと見て。
深刻そうな顔してる。
大丈夫だって、そんな不安そうにしてなくても。
それを分かって欲しくて、ちょっとだけ微笑んだ。


「ニノはさ・・・自分で思ってるより、力がある。
ちゃんとその力を上手く使えたら、かなりな陰陽師になれると思う。
ただ・・・分かったと思うけど・・・

ニノの力の傾向はオイラと全く違う。
感応の力がずば抜けて強い。
オイラはバランス型・・とでも、言うのかな?
攻撃も防御も感応も大して違いがない。

でも、ニノは攻撃が弱くて、感応がずば抜けて強い。
防御は未知数だけど。

傾向が違うから、オイラと同じ方法では、効率が悪い。
無理がどっかに来る。

ニノに向いた方法が別にあるはず。
ただ・・・どんな方法がニノに向いているか・・・・
それはオイラにも教えてやれない。

それは、ニノが自分で見つけなきゃいけないんだ。

オイラが出来るのは・・・・
ニノの身に危険が及ばないように、手助けするだけ」


一旦言葉を切った。
置いてあったカップを手に取って、一口飲んだ。
ほどよく冷めていて。
熱さを感じることもなく、口に入る。

また、一口。
ニノは話の途中から、視線をカップに落としていて。
そのままカップから目を離さなかった。


「多分・・・これからニノは怨霊や悪霊に狙われる。
力があって、自分の身を守れない能力者の躰は・・・
そいつらにとって、喉から手が出るくらい魅力的・・らしいから。

陰陽師の師匠なんて・・・守ってやるしかできないんだよ・・
オイラもそうだった。
どうやって浄霊するのか、なんて教えてもらったわけじゃない。
そもそも、オイラの師匠は浄霊はしなかったから」


ニノが顔を上げた。


「除霊・・する陰陽師だった。
力業でバッサバッサって感じに」