夢も見なかった。
なんのきっかけがあったのかも分からない。
スゥっと、でも、フワッと意識が引き上げられて。



目が覚めた。
自分が今、どこにいるのか・・・記憶が混乱した。
誰か・・の腕に抱きしめられていて。

一瞬の後に、思い出して。
でも、また混乱しそうになった。


一緒の布団に入り込んだまでは覚えてるけれど・・・
センセーに触れないように、気を付けて・・いたはずなのに。


「センセー・・・?」

小さく呼んでみる。
でも、応えはなくて。
まだ、センセーは眠っているのかも。
きっと、かなり・・お疲れだった・・んだろうから。

自分がセンセーをそこまで疲れさせた・・って。
思い出して。

きっと、ワタシが眠っている間にも・・
精気を与えてくださってたんだろう。
聞いても、はぐらかされるだろうけど。
でも・・聞かなくても、分かる。

ちょっと、躰を動かしてみたら、すごい軽い感じがしたから。
なんとか、センセーの腕から抜けだそうとしたけど・・・
起こすことなく抜け出すのは、ほぼ、不可能。

それほどに、センセーの腕にしっかりと包まれていて。



それだけで・・なんか・・・・くすぐったい気分。
一言で言うと・・・きっと・・・・しあわせ。
って・・・・言うのかも。



この先の問題さえ、忘れていられれば。
今のこの状態は・・・・しあわせ。



大好きな・・人の・・・・腕に包まれてて。
その人のうっすらと笑みを浮かべてる寝顔を見て。

あ~やっぱり・・・大好き。
って・・・・また、自分の気持ちを確かめたような。
そんな時間。