意識と躰が繋がって、目を開けたとき。
センセーの顔がすぐ目の前だった。

驚いて、慌てて。
飛び起きようとして・・・
額に触れていたセンセーの指先が微かに動いたのを感じた。

センセーは・・ワタシの意識の中に入ってきてたんだった・・
戻るまで、このままでいないと・・


「うー・・ん」

いつもの昼寝から目覚めるときのような、緊張感が全くない声を上げて。
センセーが目を開けた。


昼寝の時よりも、フニャッとした顔で、ワタシに笑いかけてくる。
それが・・・
センセーの想いを知ってしまったから・・
すごい恥ずかしくて。
まともに目が合わせられない。

「おはよー。ずいぶん、逃げてくれたよなぁ」

ワタシの額から目にかかっている前髪を指先で避けて。


「大丈夫か?
悪霊に乗っ取られそうになったすぐ後に、深くまで潜むなんて・・・
無茶すんな。
オイラが・・心配になる」

何事も起こってなかったかのように、軽く身を起こすと。
肌蹴てしまった毛布をワタシの躰に、掛け直してくれた。
ちょっと起き上がってみようとしたら・・
すごくだるくて・・くらっと、一瞬、眩んで。


「ほら。無理するから」

なんでか・・今までと同じようなことを言われているはずなのに。
声が甘く・・聴こえる。

センセーの想いを感じたせい?
それとも・・・・ワタシの想いを感じ取られてしまったから?


ワタシを包んでいる毛布ごと、膝の上に抱き上げられた。
それは、意識の世界でもされていた格好で。
子供が抱っこされているようで。


「センセー・・・・」

しがみついた。
もう、抱きしめてもらうのを怖がる必要はない、と、分かったから。

センセーの腕も、ワタシの背中に回された。