強い衝撃が全身を襲って。
風にもみくちゃにされる。

色のない世界を切り裂いて。

あっちへ飛ばされ。
こっちへ流され。


それは温かな空気だったり。
冷たく凍った嵐だったり。


翻弄された。


この精神世界はすべて、カズの気持ちに支配されてる。
ならば、この風もカズの気持ちの現れ。


凍りついた気持ちと温かい気持ちで揺れてる・・・ってことだ。



「カズ!カズーっ!!」

ただ、ひたすら呼びつづけた。
カズに届くように。



風が止んで。
ふわ~っと、運ばれるように流されて。

行き着いた先に・・・



カズがいた。


青褪めた顔で、呆然としていた。


「センセー・・・・」


オイラのことを呼ぶ、わけではなくて、ただ、口から出たように。

その音で、何かに気づいたように、ハッとした顔をして。
体を翻して、駈け出して・・・・次の瞬間、姿がフッと消えた。




でも、もう、カズの存在を掴んである。