「翔くん?」
「翔く~ん?」
「しょおくん?」
「翔くんてば!?」


何回、呼んでも、こっち見ない。
ソファーで、膝抱えて、ちっちゃくなってる。



隣に座って、翔くんに寄っかかった。


「どうしたの?なんか・・翔くんが落ち込むようなこと、あったっけ?」


顔をのぞき込んだら。
大きい目に涙浮かべてて・・
今にも零れ落ちそう。



「智くん・・・・俺の誕生日プレゼント忘れてた」

「あ・・えっと・・・・ごめん」


誕生日っていうには、早すぎて。
誕生日プレゼント?って時期だったから。
だって、今はもう、冬の始め・・って感じなのに。
プレゼントもらったのは、夏の終わり、みたいな時期で。



「何、あげたか・・覚えてる?」

「・・・えっと・・・デッサン用の鉛筆セット?」

「違う。それは去年」

「・・えっと・・・サンダル?」

「それは一昨年・・・やっぱり・・・」





「智く・・ん・・・」
あ。涙、とうとう、零れた。
勢いよく、抱きついてきて。

・・痛いってば!


「俺のこと・・捨てないで~~~」

え?なんで、そうなるの??
翔くんの考えてることが、全然わからない!




「来年は、ちゃんとプレゼント、誕生日にあげるから~~~」

いや・・・あのね?
翔くんは、怒ってもいいと思うよ。
僕が忘れてたのが、いけないんだから。


「俺のプレゼント・・ちゃんとカウントして~~~」

うん。ごめん。
本当にごめん。
悪いと思ってるよ。




「翔くん、大丈夫。落ち着いて・・・」

「俺のこと・・キライにならないで~~~」

全然、話、聞いてくれないから・・
軽く、頭をぽかっと叩いた。



「智くん・・やっぱり、俺のこと、キライになったんでしょう~」
鼻水まで垂らして・・・
だから・・抱きつきすぎ!
痛いってば!



「翔くん。離して」

「さとしくん・・・やっぱり~」

「翔くん!大好きだから!落ち着いて!」


お願いだから。
僕に謝らせて。