「カズだから・・・いいんじゃないか。

カズがいるから、オレがいられる。
カズがいなくなるんだったら、生きてても、しょうがない」

「そんなこと・・そんなこと・・言わないでください。
おーのさんは・・ずっと、生きてて欲しいのに。

・・・・・ワタシが先にいなくなっても。」



カズの言うこと・・時々、酷く残酷。
カズのいない世界で、オレに生きてて欲しいと、願う。



「おーのさんは・・ワタシのこと・・ずっと覚えててくれるでしょ?
そしたら・・ワタシもずっとおーのさんといられる・・

そんな気がするから」


それがカズの望みなら。
どんなにツラくても。
カズが側に来て欲しい、って思うまでは、生き延びるよ。



また、二人だけの世界に入る。
今夜はこのまま、暗闇が続けばいい。

目も慣れて。
カズの顔くらいは・・付けた痕跡くらいは・・
見えるくらいになって。

人間の能力って、フルに使ったらすごいんだな・・・
つい・・おかしくなって。
笑ってしまう。


「なに、笑ってるんですか?」

「ん?秘められた自分の能力に感動した」


だって、普段、こんな真っ暗な中で、人の顔見ることなんてないし。



「そんなこと・・・どうでもいいからさ・・・
カズ?黙って。」



暗闇が続いている間にさ。
また・・・