マネジャーに着て来い、って言われて、渡された服を着た。
ほとんど、スーツなんて、着ないから。
窮屈に感じる。


翔くん、まだ、寝てるかな・・

顔見てから、出かけたいような気もするし・・・
翔くんから、逃げ出したいような気もする。


自分がどうしたいのかも、定まらなくて。
寝室に行きかけては、足を止めて。



ホントは・・・
行ってくるね・・・って、言いたかった。
頑張ってきてね・・って・・言ってもらいたかった。




もう少ししたら、迎えが来る時間。


どうしようかって・・リビングで行ったり来たり。
キッチンで、飲み物飲んだりしてたら・・



「智くん!」

寝室から、飛び出してきた?って勢いで、リビングに入ってきた。
キッチンの僕に気付かないまま。
僕のこと、大きい声で呼んで。


「あ~いってらっしゃいって、言いたかったのに!」

って、言いながら、くしゃくしゃになってる髪を後ろに流す。