翔くんは、すぐに眠ってしまった。
僕は・・目が覚めたばかりで、そんなに眠くないから。
翔くんのこと・・見て。


汗かいたから。
額に髪が張り付いてる。
あとで、シャワーを浴びてもらわないと。

睫毛が時々震えるように動く。
あ、中で目が動いてるんだ。
なんか、夢見てるかな?
僕の夢・・見てくれてる?

僕ね・・昨夜、翔くんの夢、見たんだよ。
何してたか、忘れたけど。
でも、翔くんが出てた。
それだけでね・・心がふわっとあったかくなった気がする。

目が覚めて。
また、翔くんがいたから。
今朝は、すごくしあわせなんだよ。



これで・・翔くんが元気だったら、もっとよかったのに。
でも・・体調悪そう、って気が付かなかったら・・
きっと、昨夜は来られなかった。

だから、翔くんが熱・・出してるの。
ちょっとだけ、嬉しくて。
僕の顔を見たときの翔くんを思い出すと・・すごく・・嬉しくて。

翔くん・・大好き。


眠ってしまって、少し緩んだ翔くんの腕の代わりに。
自分の腕で、ギュッと・・翔くんを抱きしめて。
翔くんがやってくれたように。
体をくっつける。
隙間がないように。

あったかさが・・逃げないように。


翔くんの汗の匂いがして。
目の前の翔くんの肌に口唇を押し付けて。
汗でしょっぱくて。





あの時の翔くんを思い出して。
・・・出来心が起きて。
痕をつけたら・・・



一人で・・恥ずかしくなった。