「あまえんぼさんだね」
智くんが、ふわっと微笑んで。

「もうちょっと、一緒に眠ろうか?
まだ、だるいでしょ?」
智くんが、背中に手を回して。
昔、母親にやってもらったように・・
トントンとゆっくり・・・


あ~ヤバイ。
智くんを堪能したいのに。


高熱の後の倦怠感と。
微熱の浮遊感と。

智くんの声の調子と。
トントンされる、その心地よさと。
すぐ隣にあるぬくもりと。

眠りに誘われていく。



智くん・・・ごめん。
でも・・・もっと・・・智くんが欲しい。
智くんを、抱え込むようにした。

密着したい。
もっと、くっついていたい。

会えなかった時間の分まで。
補充したい。


「さとし・・くん・・・どっか、行っちゃわないでね・・・」

「うん。一緒にいるから」



智くんにそう言ってもらえたから。
安心して。
・・・・眠れる。