布団を掛けても。
翔くんはガタガタ震えてて。

唇の色が紫っぽくなってて・・・

「さむい・・・」

耐えられない・・そんな感じで、口から漏れた。


うつるから、帰れって言うけど。
こんな翔くん、置いて帰れない。


翔くんの隣に入り込んだ。
手先も足先も冷たい。

震えが止まらないみたいで。
温めてあげたい。

小ちゃく丸まってる翔くんに腕を回した。


「さむい・・・さむい・・よ・・・さとしくん・・」
「翔くん、手も足も冷たいね、もっと、布団、持ってくる?」
「このまま・・・ここにいて・・・・一人は・・さむい・・・」


翔くん、熱が上がってきてて、朦朧としてるみたい。
自分が言ってること、分かってないのかも。
いつもと、ちょっと、口調も違う。

「このまま、一緒に寝ようね。朝までぐっすり寝よう?」
「うん・・さとしくん・・さとし・・・」


僕の胸元に手を当てて。
額を首のあたりに、くっつけてきた。

「さむい」「さとし」

交互に口にして。



口にする間隔が少しずつ、開いてきて。
乱れてた息が、規則正しくなってきた。
手足の冷たさがちょっとずつ、無くなってきて。
ちっちゃくなってた体が、伸びてきた。

熱が上がりきったみたい。
とりあえずは、よく寝てるから。

このまま、朝まで。
一緒に寝ようね?