「超能力か、魔法が欲しいな。
人の記憶を自由にいじれるヤツ。

それか、記憶を消せる消しゴムが欲しい。

カズの心の底にしがみついてる、イヤな記憶。
消してやりたい」




「でも、それを消したら・・
きっと、ワタシはワタシじゃなくなりますね。

おーのさんとも・・・今のままの関係でいられるか・・わかりませんよ?」


「それでもいい。

うなされて飛び起きる夜がなくなるなら。
思い出して、涙を流すことがなくなるなら。
自分の欲しいもの、欲しいって言えて。
好きなもの、好きって言えて。
ともだちと笑って過ごせるようになるなら。

カズの中から、オレがいなくなっても、構わない。
笑って過ごしてるカズを見てるだけで、オレはしあわせになれると思うから」





「・・・珍しく、口数が・・多いですね・・」


「わかってくれないから。
カズのこと、大好きで・・心を向けてる、ヤツがいるってこと」


「わかってますよ・・・・わかってる」