先日、こんな話知りませんか?
みたいなのを、記事でアップしたんですが・・
それが、見つかったので、読んでみました。

詳しくは→「雷鳴」「雷鳴の作品が判明!」



記憶違いで、全然違ってまして。
ホントは、こんな話。
というのを、書いてみました。
今日明日でアップしてみます。

原作を読もう!と、考えてる方は、読まないほうが多分、いいかと・・(笑)



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ちょっと、買い物しようと、ぶらぶらしていたら・・
雲行きが怪しくなってきた。

ポツ、ポツと・・雨が落ちてきて。
どんどん、激しくなりそう。

駐車場まで戻るか・・でも・・
翔さんの家がホンの目の前に見えてて。
雨宿りさせてもらおう。


インターホンを鳴らしたら、答えたのは、大野さんだった。
「すぐ帰ってくるから、上がりなよ」

翔くんは、スポーツクラブに泳ぎに行ってるらしい。

「雨、すごくなってきたね」
気づくと、開けっ放しの窓から、雨が吹き込んで来ていて。

「まずいよ!」
慌てて、窓を閉めた。
雷が光っているからか。
大野さんがカーテンも閉めようとしてる。
天井からのカーテンで。
上手く閉められないでいた。

「オレ、やろうか?」
大野さんの後ろから、カーテンを引こうとして・・
手が触れた。

あっ・・・思わず手を引いた。
すぐ目の前に大野さんの首筋が見えて。
濡れた服から、大野さんのニオイが強く、立ち昇った。
カーテンを動かそうとするたびに、筋肉が浮かび上がって。

暗くなった部屋の中。
大野さんと二人きり。

さっき触れた、手の感触がそこに、焼き付いたようで。
再現される。



「おーのさん、大丈夫?!」
その声は・・・ニノ?
なんで・・・いるの?

大野さんと二人きりではなかったことに・・少しイラツイて。

「見えない・・潤くん・・どこにいる?」
「真っ暗だね・・灯り・・点ける?」
・・・停電?
スイッチを入れても、点かなかった。


「潤くん、スゴイ・・濡れてない?
翔くんの服、出してあげるから、着替えたら?」

「いや、いいよ」
自分の服を手で撫でて、濡れ具合を確かめた。
大野さんの手が、確かめようと、伸ばされるのを、心の片隅で、期待して・・


暗くなった、部屋の中。
お互いの位置を知るのは、声だけ。


稲光がカーテンの隙間から入り込んで、部屋の様子が見て取れた。
大野さんが・・思ったより、近くにいて。
さりげなく・・距離を詰めた。


また光ったね。大きいね。すぐ近くに落ちたみたい。
言葉を重ねても、大野さんからは返ってこなくて。

雷に、自分ですらドキッとしたから・・
大野さんがどう感じてるのか・・
なんか、言ってもらいたい。

「大野さん、雷苦手?」
それでも返事はなくて。
心細くなった。

ひどい雨だなぁ。まだ、鳴ってる。
独り事のように呟く。

「潤くんは?ダメなの?」
大野さんの声が、すぐ耳元で破裂した。
・・・ような気がした。


「何が?

あ・・雷が・・?

別に、嫌いってほどじゃないけど・・さっきのは、大きすぎるよね。
あれじゃ、誰だって・・・・」
「僕、平気」
今度は、言葉尻に被せるように、返してきた。
さっきのお返しに、今度はオレが沈黙を作る。


「潤くんの意気地なし」
その言葉・・どうゆう意味?