「オーノさん・・」


いつも物静かなオーノさんが・・一つ一つの動作が・・荒っぽい。
きっと・・・イラツキが動きに、出てるんだろうけど・・

原因は・・わかってるけど・・
だって・・しょうがないじゃないですか。

お世話になった大先輩で。
いろいろと引き立ててくれて。
あの当時、なにかと励ましたりしてくれた人で。



無碍に扱えないでしょ?
オーノさんも、それがわかってるだけに、本番で強くは言えなかった。
それも、イラツキの原因の一つだって、わかってますけど・・

だから・・その後のゲームでは、なるべくスキンシップ取ってたのに・・



どうしたらいいか、わからずに、ノロノロ着替えてたら。
さっさと着替え終わったオーノさんが、椅子にドカッと座って。
スマホでゲームをし始めた。


どうすればいい?


着替え終わって・・
オーノさんの様子は・・・・って伺うと。
目が合った。


「帰るぞ」
ぼそっと言って。

背中を向けたけど。
待っててくれてるように、その場から、動かなかったから。
背中から、抱きついた。



「カズは・・・オレの一番近くにいればいいんだから・・・」

それから・・ワタシを背中から、引き剥がして。



「帰ったら、オシオキな?」