「翔くん」
俺のことを呼ぶ声。
智くん・・・?

でも・・どこか、違和感。
頬の傷跡が・・目蓋のホクロが・・・眼の形が・・
左右逆。


「帰ろ?」
そう言って、腕を組んでくる。
俺の耳元に、顔を寄せて。
「早く、帰って・・・しよ?」


思わず、顔を見た。
「何?家まで、待ちきれないの?」

クスっと笑う、その笑い方が・・俺の知ってる、智くんじゃない・・・

戸惑っていたら、首に手を回されて・・
思いっきり・・・・誘うようなキスで・・・

俺は・・・・
智くんじゃない、サトシくんに・・
堕とされた。








「翔くん・・早く、しよ?」
家に帰ると、左右逆転した、俺の家。
玄関入って、左手にあるはずの寝室が右手にあって。


サトシくんが、俺の手を引いて、寝室へ入る。
サトシくんに、押し倒されて、ベッドへ・・・・

俺の上に載ってきたサトシくんの表情が・・・・
妖艶・・という言葉にピッタリで・・・



俺をその気にさせるような、口吻をされて・・
応えているうちに・・
俺は、サトシくんが智くんじゃないことも、忘れていった。