「智くん・・・えっと・・・」

困ったように、言葉に詰まって。

ニュースの原稿は、あんなにスラスラ読むのに。
バラエティでは、あんなに次々、ツッコミいれたりするのに。

僕にかける言葉は、なかなか出てこなくて。
なんで、困ってるの?



だから、僕から、声、聴かせるね。

「僕もね・・・嬉しかったよ。最後の・・気づいてくれたんでしょ?」

「あれ・・・あやうく、読まないところだったよ。なんで、あんなに間、開けてたの?」

「だって・・・」


僕の・・ワガママだから・・
読まれなくても、いいって、思ってたから・・・
その一言が・・言えなくて。


僕も、言葉に詰まった。



翔くんが、クスっと笑って。
僕も、笑って。

手を絡めて、ソファーに座った。
翔くんの肩に、頭を載せて。