最寄りのコインパーキングに空きがあってよかった。
車を駐めて。


智くんの住む、マンションに向かう。
歩きながら、スマホをチェックすると、メール。




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気をつけてね。



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あと、5分のところにいるのに、無事を気遣うメールに・・
思わず、ニヤけて。





こんな時間なのに、マンション前に人影があって。
空を見上げてる。


離れてるから、顔もわからないのに・・
それでも、誰だか、わかる。



智くん。



もしかして、さっきのメール見て、ここまで、迎えに出て来てくれた?

すぐにでも、会いたい。

そう、思うのは、俺だけじゃない・・って・・
自惚れてもいい?





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こんな夜中に、エントランスの外にいるのは、僕だけ。
星を見上げて。


早く、翔くん、来ないかな・・・



人の気配がして、振り向いた。



顔もわからない距離だけど。
肩が・・・歩き方が・・・翔くんだ。



大股で、歩いてくる。
近づいて、顔が見えた時に、浮かべていた表情が・・・
嬉しそうで。



会いたい。
思っていたのは、僕だけじゃない、って・・・

ワガママだけど・・
言ってよかった、って・・・



思えた。



翔くん。
ありがと。
ワガママ叶えてくれて。