旅をしていた。
目的地はない。
たった一人で、小さい宇宙船に乗り、漂うように旅をしていた。

目の前に、生存可能な惑星。
降りてみることにした。



そこは、一面に広がる砂漠だった。
生き物の気配が全くない。

宇宙船から離れて、辺りをあるいて、何かないかと、探そうとした。
足元の砂が動いて、俺は砂の中に飲み込まれていった。


ふと、気が付くと、ポッカリと開いた空間にいた。
さらさらと、砂が上から流れ落ちてきている。
ここは、砂の下。

光源もないのに、なぜか、明るい。
辺りを見回すと、建物・・のようなものがある。
あった・・・と、言うのが正しいか・・
それは徐々に、落ちてくる砂に埋れていっているようだった。


空間を端までいくと、そそり立つ砂の壁。
さらさらと、音がする。

そこに・・・
腕を入れてみると・・
砂の動きに腕を取られて、抜けなくなった。
そのまま、砂の動きに引っ張られて、上へ上へと運ばれていき・・・


ふと、気が付くと、宇宙船の側にいた。



砂にも対流があるんだな・・



旅はまだ続く。