旅をしていた。
目的地はない。
たった一人で、小さい宇宙船に乗り、漂うように旅をしていた。

目の前に、生存可能な惑星。
降りてみることにした。




青々とした、緑の草が茂っている。
見渡すばかりの草原。

花も、木もなく、ただ、緑の草。



ソコにポツン、と、彫像のようなものが立っていた。
女性・・・ぽい。
側には、半分崩れかけた彫像・・
こちらは男性・・っぽい。


風もないのに、周りの草がそよいだ。
俺を中心に集まってきている。

動けない・・はず・・
と、思っていたのは、地球での固定概念。
ここの草は・・移動可能らしい。



俺のどこかで、警報がなった気がした。
急いで、宇宙船に戻る。

離陸すると、草が、彫像に巻き付いて少しずつ・・崩していくのが見えた。




一面の草。
この惑星の食物連鎖の最上位種なのかもしれない。




旅は続く。