あなたに触れたくて・・
あなたに触れられない。


いつの間にか、開いていた距離。
すぐ隣に立っていても、その距離は縮まらない。

昔は二人の間にスキマはなかったのに。
あなたからも腕が、指が伸びてきていたのに。

今は、そのスキマが永遠の距離。
あと、ちょっと、指を伸ばせたら。
あと、ちょっと、腕を動かせたら。
あと、ちょっと、足の角度を変えたら。

触れられるのに。
・・・触れられない。
記憶の中の触感を辿る。


あなたのその

腕に縋り付きたくて
肩に腕を回したくて
背中に寄り添たくて
髪に指を絡ませたくて


そして
その唇にそっと
触れたくて



いつか・・・また・・・触れられたら・・・



(M)