ニノとキスしてると・・いつも、なんか、胸が苦しくなってくるんだ。
ニノにそう言ったら。

ニノがオイラに言ったんだ。

「ワタシの唾液はアナタ専用の媚薬なんですよ」
オイラ、「びやく」がわからなくて、ニノに、「びやく・・?」って聞き返した。

「惚れ薬です。アナタがワタシをもっと好きになるように・・」

だからかぁ・・・
ニノにキスをもらうたびに、ニノのこと
もっともっと、好きになっていく。
もっともっと、近くに来てほしい。
もっともっと、強く抱きしめてほしい。
もっともっと、ずっといっしょに・・・

ニノにも、そう思ってほしくて
「オイラの唾液にもニノ専用のびやく・・入ってる?」


「ワタシには、アナタの媚薬なんて・・必要ないですよ」
そう言って、切ない顔して微笑んだ。

オイラは・・ニノにさぁ・・
もっともっと、好きになってもらえないの?
もっともっと、近くに来てもらえないの?
もっともっと、強く抱きしめてもらえないの?
もっともっと、ずっといっしょにいてもらえないの?

哀しくなって・・涙が出てきそうになった。


「だって・・・ワタシはアナタのこと・・・」
それ以上は聴けなかった。

オイラの唇のすぐ上で言葉は途切れて・・
また、びやくが注がれる。