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愛してる

ねぇ、とても怖い夢を見たわ。

私の想いがあの人 に届かない。

いいえ、私の想いはあの人に届いているのに、

想いがカタチにならないの。


二人手を絡めて歩いて、

私は最高に幸せなのに、

「愛してる」が言葉にならない。

あの人からも愛してるの一言が聞けない。


でも、私にはわかる。

あの人は私を愛してる。

驕りでも、自意識過剰でもない。

あの人と私は一心同体なんだから、それは知ってるの。


けれども、想いは言葉にならない。


それでも幸せだった。

あの人の腕のぬくもり、視線が絡み合った瞬間。

すべてに幸せを感じたわ。


それなのに、なぜ。

あの人は私から離れたの?


お互いに愛してるの一言を飲み込んで、

あの人は私から離れた。


「行かなくちゃ」

そう言ったあの人の視線が愛してると叫んでいた。

私の心も同じ言葉を叫んでいた。

なのに、どうして離れたの?


愛してるって言ったら、何かが変わったのだろうか。

カタチにしたら、何かが変わったのだろうか。


ねぇ、とても怖い夢だったのよ。

夢だとわかっていても、喪失感が拭えない。

ねぇ、本当に怖い夢だったの。

ショートケーキ

言葉はいつも私の邪魔をする。

なぜ、人間は言葉を得たのだろう。

共感能力を研ぎ澄まさず、言葉を磨いたのだろう。


あの人 が提案したテーマを

私はおぼろげながらも覚えている。

数日、起きられなくてあの人には迷惑をかけた。



次のテーマは、私たちの好物について書いてみよう。

あの人は私に言う。


ショートケーキ。


あの人と私の好物であることは違いない。

でも、それを言葉で表す時、

私の思いはあの人と一字一句重なるだろうか。

本当に、言葉はいつも私の邪魔をする。


ショートケーキ。


クリームの白と苺の赤のコントラストが好きだ。

ケーキが天頂に戴いた苺が、

雪の上に零れ落ちた王妃の血のようで綺麗。


ショートケーキを見ると、私はいつも茨姫を連想する。

「女の子が欲しい、女の子が欲しい」

そう願いながら不注意から、針で己の指を刺す。


雪の上に零れ落ちた己の血を窓越しに眺めながら、

「ああ、この雪のような白い肌と、この血のような

赤い唇、そしてこの窓枠の黒檀のような髪を

もった女の子が欲しい」とそう思った王妃の願いを思う。


ショートケーキは、繊細な願いそのものだ。

それが具現化しているようで好きだ。


天頂の苺にフォークを指すと、

遠慮気味に果汁がクリームを染める。

その瞬間も好き。


クリームを赤く染めてしまうには力が足りず、

かといって、クリームも真っ白なままではいられない。

決定的な影響力があるわけではないけれど、

それは確かに侵食し、影響からは逃れられない。

人間関係を暗示しているようで、少し愉快だ。


ああ、スポンジの存在を忘れるところだった。

これがなければ、ショートケーキは成り立たない。

表には出ないけれど、ショートケーキの核をなす土台。

クリームと苺をつなぐ架け橋。

私の好みは、甘さ控えめ。


あの人はショーtケーキについて一体何を書いたのだろう。

あの人と私の味の好みは同じはず。

なぜなら、あの人と私は一心同体なのだから。


でも、ショートケーキに抱く思いは同じかしら。


あの人の思いを知りたい。

でも、それが少し怖い。

はじまり

ねえ、準備ができたよ。


あの人が私を呼ぶの。

「キミと とは一心同体。実験をしてみようよ」。


あの人が言うルールはこう。

1、同じタイトル、テーマで書く

2、タイトル、テーマはあの人が決める

3、互いが書き終えるまでブログは見ない


あの人に否ということが私にはできない。


けれどどうして、ノートではだめなの?


そんな私にあの人は答える。


ノートはカタチで残るだろう。

それじゃ、ダメだ。


確かに、私とあの人との関係が

カタチで残るのは良くないわ。


でも、ホントはね、ってあの人が言うの。

開設が容易だからね。

そうね、書くのはとても楽だわ。


実験が始まったわ。