この本を読んだきっかけは、4月23日に参加した東京中小企業家同友会渋谷支部の総会で、記念講演として、神戸大学教授の忽那憲治氏と平安伸銅工業株式会社の竹内香予子社長の話を聞いた際に、忽那さんがこの本を紹介されたことです。

 

この本は、忽那憲治著となっていますが、200ページの内、忽那さんが書かれたのは、前書きとエピローグの合計20ページだけであり、180ページは、7社8名の中小企業の跡継ぎ達のインタビューです。

 

これが、この本を非常にユニークかつ有益なものとしています。つまり、経営者の声を変に理論化したり、自分が提唱するフレームワークに当てはめるのではなく、非常に生々しい声が聞けることです。


経営者の本といえば、成功した優良企業の社長が書いた本が多いのですが、この本は、若い跡継ぎ達が、悪戦苦闘している現在進行形の話です。


そこには、変革しなければ生き残れないと自覚し変革に取り組む跡継ぎ達と変わることを拒む旧守派との軋轢、一族間での権力闘争、自社株のこと、銀行との関係、様々な失敗など、同じ境遇の人々にとっては本当に知りたいことだけどあまり語られない話題も語られる。


この本は、忽那さんの聞く力が生んだドキュメンタリーであり、中小企業の跡継ぎ達には、是非一読をお勧めしたい本です。