株式会社リブランの鈴木社長よりいただいた同社五十年史「しなやかに」を読了しました。

 

同社は、環境共生型住宅や自然素材を使った住宅、いくら音を出しても大丈夫なマンション「ミュージション」などで、独自の存在感を発揮している住宅建設会社です。

 

とにかく、序章が面白い。まるで小説の第一章みたいな出だしで、一気に引き込まれました。

 

朝からおにぎりを大量に作って、物件調査に行き、現場で車のボンネットに図面を広げて社員たちと議論する、そんな創業者と社員達の仕事ぶりを描かれる。

 

一方、小学生の二代目は、親の金をくすねてゲームセンターで遊びまくり、それが見つかって、自転車の荷台で運ばれ荒川に捨てられる。

 

家に帰っても、母親も「あなたを家に入れることはできません。縁側にいなさい。」と皿に盛ったおにぎりと毛布をそっと置き、扉を閉めた。

 

こんな出だしの社史ですが、読み進んで行くと感じるのは、同社がとても先進的であることと社会貢献度の高い会社であり、共感性の高い会社であるということです。

 

環境共生型住宅や自然素材、遮音性能の高いマンションなどは、同社がいち早く取り組んできた分野であり、大手も太刀打ちできないレベルにまで来ているようです。

 

社会貢献活動の面でも、緑のカーテンプロジェクトや東京ヒマつぶし音楽祭の開催など、長年先頭に立って推進して来られ、鈴木雄二社長の軸のぶれなさとクライアントとの付き合い方に対する強い信念みたいなものを感じます。

 

本というものは、一番最初と一番最後が肝心だと誰かが言っていましたが、この本でも最終話(第17話)と社史後記がじんときます。

 

1997年から社長交代の2002年までを企業承継期と位置づけて、この間の幹部や社員達との葛藤を軽く触れておられますが、実際には筆舌に尽くしがたい苦悩だったと思われますが、信念をぶらさず乗り切ったからこそ、50年続くことが出来たと言えます。

 

社長交代後、全く経営に口を挟まなかった静雄氏が、リーマンショックの際に、一言だけ助言し、その一言が窮地を救うことなったという話もとても印象的でした。

 

五十年史を読み終えて、株式会社リブランは、鈴木静雄という希代の起業家と鈴木雄二という希有な後継者の組み合わせがあってこそ繁栄し続けているのだなという想いを強くしました。