見上げれば、空をも覆い隠すようにその建物は異様に大きく見えた。
街中の病人を一人残らずこの一点に集めようとでも言うかのように、誇り高げに自信に満ちた風体である
おしゃれな喫茶、お食事処など、ここが病院?そんな風に感じる。去年の今頃見た建設途上の病院は、コンクリートの肌をむきだしにして、秋の陽を冷たく遮断していた。
多くの患者を受け入れ、多くの患者を笑顔にして送り出す病院。だが、帰宅の夢叶わず散る命の無念さに思いを馳せれば、憂き世のことすべてを受け入れ、何事にも対峙し、心強き者こそが勝者なのだという図式にたどり着く。
「僕が病気になったら、こんな病院がいいな」
「毎日病院の喫茶でお茶したり」
「優しい看護師さんとおしゃべりしたり」
僕だけのおしゃべりになってしまった。母さんは僕をちょっとだけ睨みながら黙っていた。もっとおしゃべりしようとしたら
「大きい病院だとか、綺麗な病院だとか、そんなことは命と関係ないんだよ」
わずかな苛立ちを見せはしたが、ゴン 母さんといっしょにいつも元気でいようねって、母さんは笑った。母さんの笑顔を見たら、病院のでかい建物のことなどどうでもいいことのように思えてきた。
建て増しの病院を見て………ゴン
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