窪みを見つけた
稜線から下へ10Mほど降りた場所だ
はい松の上に帽子を
括りつけた
捜査隊に見つけてもらうようにだった
ここで死んでもいいようにと
・・覚悟した
リックを枕に仰向けになって寝た
天体ショー(星)
天候は良かったから空を見上げると
無数の星が・・イヤ星屑の宝石だった
互いに個性を出し合つているかのようだ
生きてるようで競っているようだった
眼を開ければ銀河のような星屑が飛び込んできた
流れ星が
角度を付けて
ロケット花火のごとく夜空を走った
鮮やかな色を輝かせた
燃えながら走る
(黄色かかった青色・青みかかった赤)
流れ星が交差した
沢山の流れ星を見た
天候は良かったからだ
風もなかったからだ
北斗七星が北極星を中心に
ゆっくり回転してる
北斗七星のフシャクがはっきり動いているのが
目の前で起きた
星を見ながら眠った
うとうとはしたが
ビバーグしたからこんなに近くで
自然の星に正対して
朝まで天体ショーが見れたことに
今では感謝している
もう二度とないけどな・あってはならんな((〃艸〃)
景 観
眼科に黒部ダムの蛍光色の煌々とした白い明かりが
眩しかった
ほんの近くにくっきりとダムも見える
今日泊まる予定の小屋の灯りも前方に赤々と
憎らしい位に輝いていた
空気が綺麗だから遮るものは何もない
少し歩けば辿り着くのではと
錯覚した
雨だ~
パラパラと音がした
空を見ると黒い雲が上にいた
すぐ近くだった
これまでかと
思った
ここは標高2500mだ
100mで0・6℃温度が下がる
(この計算は後で知ったけどね)
と言うことは
地上より15℃低いということになる
温度計なんか持ってきてない
が
多少の知識はあった
山で雨風に当たれば避難しないと
命に影響するんだ。。と
下界で20℃としたら
5℃という事になる・・それに雨と風だと・・
風1mに付き1℃下がる
体感温度は??
雨が強くなってきて
傘をさした
お袋、ゴメンな
こんな山のなかで死んで
結婚もしないで・・
山岳操作隊の金まで出させて
馬鹿なオイラを・・・・
申し訳ないと心の中で謝った
そして
少し眼が潤んだ
10分ほどで雨が止んでくれた
空が白みだした
明るくなったから
歩ける
昨日の船窪小屋に戻れる
10分も歩いたか
目の前に覚えのあるコル(写真の山)に付いた
嬉しかった
こんな近くにコルが有ったのかと
・・・
昨日辿り着けなかったのが
腹立たしかった
このコルを超えれば助かるんだ
と
元気がでた
コルのてっぺんに付いた
小屋が見えた
「ああ助かった」
この山の影になっていて小屋の灯りが
遮断されていたのだった
一気に力が抜けた
この写真は
その時の写真です
2人の女性は大阪からの女性でした
一緒に下山しました
女性曰く
「まさかこんな良い天気に
遭難者が居るとは思わなかったから
半鐘は鳴らさなかったよ」・・と
だろうな
下山した処に
日帰り温泉(仁科三湖)があり
入った
そこで大阪の女性とは別れた
夜8時頃に家に付いた
お袋に
「ただいま~」というと
いつものように
「遅かったな・・ごはん食べるやろ・・」
「うん」
お袋にはいつものように
友達と遊びに行ってくる
とだけ
話てあった
その後はアルプスへは
一人での登山は行かなくなった
完
来てくれて