利尻富士
旅館の女将さんが
「娘さんが山へ行った
追っかけて~」
玄関での声が小さく
聞こえた
夜の10時頃だった
YH(社務所)に泊まり
夜間登頂(ご来光を見る)するため
仮眠中
出発予定は11時半過ぎ
と決めていた
泊まってたYHには
顔見知りはいない
みんなで8名
ほど仮眠してた
ここは
青少年に開放された
安価な
YH(ユースホステル)だ
僕はYHに泊まり
北海道一週(2週間)の予定
の途中だった
最北端の
利尻岳には登りたかった
予定に入ってた
YHの女将さんが
「娘さんが山へ向かった
ヒールを履いて」
と
言う
「みんな早いけど行かなくてはな」
行くぞ~と
ズック靴と靴下、タオル、軍手
を
借りて
追いかけた
あわただしく出発した
平坦な道を急ぎ足で
登った
なかなか娘さんの
姿はない
早くおいつかなくては・・
脇道に入られたら
見つからない・・
あせった
40分ほど登ると
少し急坂で狭くなった
山路
を
10分ほど登ったら
居た見つかった
赤いワンピース
赤いヒールをはいて
バック
を持っている
これだ間違いない
しんがりに廻り娘さんと
歩調を合わせた
無言のまま
10分ほどたった
声を掛けても
無言だ
・・・
少し間を開けた
なかなか持ってきた靴に
替えてくれない
道が
険しくなった
転びそうになった
私「あっ・・あぶない・・」
近づいて
ズックを目の前に
見せた
無視された
今度は
すぐ後ろに
付いた
足元がクラクラしだした
何度もしだした
ついにヒールの靴を脱いで
ストッキングだけで
裸足で
登りだした
私「これに替えよう・・」と
・・・
始めて口を利いた
「ほっといて・・」と
怒られた
つづきは後日です
いつも来てくれて
ありがとう