69DAYS
69日目
新宿東口の出口に足をとめた人達を目にした。それから、警察官を。通路にはおびただしい多量の血液。
僕の脳裏に通り魔か、とよぎったけれどおそらくそれは間違いなんだろうと気づく。
白色のタンクトップから見えた彼の腕は白く、だけれどほんの少しだけくすんでいたんだ。それにしわがよっていたから5、60代の様に思えた。おそらく突き落とされたか転倒したのだろう。
警察官の一人はそばに立ち、もう一人がしゃがんで彼の後頭部から顔面にかけてタオルで覆っていた。僕はそれを眺める口をあけているサングラスのカップルや見なければ良かったと思うけれどもしかし、目がそらせないでいる人達を足早に通りすぎた。
階段を登りきった時に僕はアスファルトの血を思い出していた。同時に、僕が触れてきた人生の終わりがよみがえってきた。小学生の時に学校のすぐ近くに大きな道路があり、ダンプカー、人だかり、乾いた血液、ひしゃげた自転車。早朝の事故だった。中学校への通学途中で自転車に乗った彼は道路を渡り、そして轢かれて死んだ。
同じ頃に同級生が死んだ。彼は白血病で身体が衰えて死んでいった。生徒全員で葬式に参加した。ダンプカーで轢かれた中学生が死んだ道路を通って。
僕が18の時に友人の父が死んで、教会で僕は彼の前で一晩中ギターを弾いた。
ゲーム喫茶で働いていた時に客が山の中で首を吊って自殺した。ギャンブルでつくった借金を苦にしながら。彼は僕と話をしたあとその足で山に向かって死んだ。
スケッチブック
スケッチブックが欲しいのです。
だけど明日東京に行くので買えそうにありません。
毎回スケッチブックを買う事に、1冊の本の様に素晴らしくクオリティのあるものにしようとするのですが、世の中はそんなに甘くないのです。
今頭の中あるのは影の中にしか生きれない男の人の話。