昨日の雪はうっすら庭の木々に積もって

美しい風景を見せてくれました。

 

利用者様と、しばし作業の手を休めて

その余韻に浸りました。

 

暖かいココアをすすっていると、

しんしんと冷え込んでいる空気が

凛として美しいと思えるのです。

 

利用者様の想いも、限りなく透明に

なっているようでした。

 

美しい風景も、それが日常となれば

生き物や植物にとっては過酷なものでしょう。

 

雪が降ることがまた反日常であるとしたら、

日常とは何なのでしょう。

 

この冷たい空気の中でシャクナゲの蕾は

ふくらみを増してきています。

ヒヨドリは池で水浴びをしています。

 

日常と反日常は、まさに一つの表と裏。

利用者様の透明な想いも、生命力と表裏一体なのだ、

とつくづく思いました。

今年一年を振り返ってみると
ほとんどの人が同じ想いなのではないでしょうか。

 

コロナ禍の中で、世界中に広がった不安、失望、悲しみ。

毎日その情報で心が押しつぶされそうになりましたね。

 

年がもうすぐ変わろうとしている今日でも

解決の糸口は見つかっていません。

 

そんな空気と同調したかどうかわかりませんが

庭のセンリョウは実がついていませんでした。

 

今年は実をつけないのか、とあきらめていたところ、

一枝だけ縁起物にふさわしい赤い実をつけてくれていました。

 

その赤い実がすべての不安を吹き飛ばしてくれました。

 

来年は大丈夫。

そう言っているようでした。

 

来年は何かを乗り越えたきっと良い年になりますよ。

 

ずいぶん間が空いてしまいました。

 

コロナ禍の今年のクリスマスは例年よりお祭り気分が薄かったように思います。

その分だけ平和に対する祈りの気持ちが多かったのかもしれません。

 

ひとりで食べるよりみんなで食べる方が楽しい、と利用者様のお一人がケーキを

持参してくださいました。

確かにひとりで食べるクリスマスケーキには淋しさを感じますね。

普通のケーキではあまり感じはしませんが、クリスマスケーキともなると

家族や友人などの明るい会話の中にはじめて華やいで存在するものなのでしょう。

 

今年はコロナ禍の中で淋しい想いをされた方も多かったのではないでしょうか。

葉生(ハーヴ)武蔵関はそのような方々といつも気持ちの共有ができる場所で

ありたいと思っております。

 

食を楽しむ力は、生きる力となるように感じます。

それは、人として生きている実感があるからではないでしょうか。

 

生きるために食べるといった動物の本能的なものと違って、

おいしいから安心して食べたい。

 

その人間らしい食の欲求が、他のさまざまなものに働きかけ、

意欲という希望につなげてくれるのでしょう。

 

意志を持っておいしく食べるという行動が自信になるのでしょうね。

 

何歳になってもあきらめのない食事をしたい、という心に寄り添って、

明日も食事を作っていきたいと思っています。

晩秋とうより初冬の冷たさを感じますね。

十一月三十日は晩秋と初冬の境界になる

不思議な日ですね。

満月となればさらにそう思えます。

 

草花も少しずつ冬の準備をしているようです。

人が寒いと思うように、草花もそう思うのでしょうか?

思わず、夏の太陽が好きな植物に、

マフラーと手袋を並べてみました。

 

このところ急に晩秋の気配が
色濃くなってきました。

 

季節は冬に向かって加速しているのが

はっきり分かります。

 

庭の木々も葉を落とし始めているその中に

夏に見慣れたアサガオが一回り小さな顔と

なって咲いていました。

 

その姿がとてもいじらしくもあり

ここにいるからね、と励ましているようでも

あります。

 

そんな思いの中で、ふっと立ち止まって

うなずいてしまいます。

ここ数日あたたかい日が続いていますね。

むしろ今日は暑いくらいだったかも。

 

さて、オリーブの実ですが、まる三日間冷水をかけて渋抜きが終わり、

今は3%の塩水風呂に入浴中です!

 

一日たったところで味見をしてみました。

ブラックオリーブの濃厚さがよくわかる状態です。

 

明日までこのままにして、これからの塩分濃度を考えます。

 

今年のオリーブは、どれくらいの塩加減を喜んでくれるのでしょうか。

 

お隣さんからいただいた柿で

今日は白和えを作ってみました。

 

この季節になると、豆腐を裏ごしして、

胡麻をすり、程よく熟した柿を和えていた母を思い出します。

 

私の作る柿の白和えは、

だんだん母の味に似てきたようです。

 

 

艶やかに熟れたオリーブの実に顔を近づけると

微かにイタリアンの匂いがします

 

初夏の頃に咲いた白い小さな花

その花の蜜を集めていたミツバチは

どうしているでしょう?

 

今年はブラックオリーブとして

食することにしました

 

葉生(ハーヴ)の昼食にお出ししますね

 

たかねです。

 

食材をながめながら

さて、今日はどんなハーモニーに

なるのでしょう。

 

明るい みんなの笑顔と陽ざしの中に

まるく まるく まるーく

溶け込みますように と願って

台所に立ちます。