私がプラモデルの塗装に使用しているハンドピースとコンプレッサーは

タミヤの「スプレーワーク ベーシックコンプレッサーセット」という物で、

これにACアダプターを加えても1万5千円あれば買える程度の安い

物です。

http://www.tamiya.com/japan/products/74520basic_comp/basic_comp.htm


私は高校生の頃に某雑誌の懸賞でこのセットの初代モデルが当たって

以来、プラモデルに限ってはずーっとこれを使用しています。

懸賞で頂いたやつが壊れて修理するより買ったほうがよかったので、

現在使用しているのはリンク先にある現行モデル。

読んでる人からすれば「なんでまたこれを買うんだ」と思われるでしょう。


私はある仕事でエアブラシで絵に彩色するということを頼まれることが

あります。

仕事用のハンドピースはそれなりの業務に耐える仕様の物を使って

いますがタミヤのこれはハンドピース単体の値段はわずか3千円で

一見するとどこか心細い印象も受けます。



でも模型を塗るときはこの安いハンドピースのほうが何故か都合が良い。

このハンドピース、プラスティック製の単純な構造ながらハンドピースの

基本はきちんとおさえられていて、慣れるとかなり細く吹きつけもできます。


これを使う楽しさはギターにたとえるとギブソンのレスポールジュニア

みたいなものでしょうか。

ピックアップ1器・高音減少のトーンコントロール1器・ボリュームのみの

シンプルな構造のギターですが、逆に誤魔化しがきかないというか

逃げ場がないというか、「これ一本で勝負してみろ」といった感じの

男らしい仕様なのですが、このハンドピースはそんな感じ。


ネットで塗装初心者がこれを買おうか迷っていると他人に相談すると

「やめておけ」と言われる事が多い点も気に入っている(笑)。

たしかにスペックだけ見るとたいしたことがないこのセットですが

実はハンドピースのニードルの調整と塗料の薄め加減を自分に

丁度良く調整できるようになると、かなり使える物になるのです。

プラ製のハンドピースはパカッと開いて分解清掃できるので

メンテもけっこう楽。ポリエチレン製のカップも取り外しできるのでいい。

どろ美について知っている二、三の事柄


適切に扱えばこんな感じで1/72スケールの模型の斑点迷彩や蛇行迷彩

だってできる。

結局道具というのは値段以前の問題として「適切に扱えるかどうか」が

問われるのであって、適切に扱える人が良い物を使えば期待通りの成果が

得られますが、そのへんの加減がつかめない人はタミヤのセットでも充分

ではないかと思います。

上手くなったらなったで、それに応える成果も得られる。

そんな意味でこれはやはりコストパフォーマンスの高い機材といえるでしょう。