映画 インフェルノ | 沈みかけ泥舟のメモ

沈みかけ泥舟のメモ

訪問していただき、ありがとうございます。

内容が定まらない更新少なめ不定期なメモ。

今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

ダンブラウン原作のラングドン教授シリーズ映画化第三弾「インフェルノ」を鑑賞しました。

 

映画化前二作「ダヴィンチコード」や「天使と悪魔」とは物語の繋がりはないので、初めて見に行くという人も

前作を見ておかないといけない、という事はないのですが出来れば「ダヴィンチコード」だけは見ておいた方がいいかもしれません。

 

この「インフェルノ」は物語の冒頭、主人公ラングドン教授がある出来事の影響で幻覚を見たり考えがまとまらないなど精彩を欠く状態で現れるからです。

ダヴィンチコードで見せる頭の切れはなかなか発揮されません。

 

あのラングドンがこの状態になって大丈夫?という不安が物語に緊張感を与える要因の一つになっているので

本当は頭が良い凄い人なんだという事前情報は持っていないと最初は退屈するかもしれません。

 

作品自体は前二作と同様、味方と思っていたら敵で敵かと思ったら味方という構造でハラハラさせてくれるのでサスペンスとしての盛り上がりは十分だと思います。

 

ただ、「天使と悪魔」でも感じたのですがどうしても「ダヴィンチコード」は超えられていない感じがしてしまいます。

 

おそらく、「ダヴィンチコード」は物語の背景にレオナルドダヴィンチが作品に隠した(かもしれない)暗号という

歴史を超えた謎があるので物語の奥行きが「天使と悪魔」「インフェルノ」よりも深く感じられるのが原因だと思います。

 

「ダヴィンチコード」や「天使と悪魔」がキリスト教社会の事件なのに比べて「インフェルノ」は全人類に関わる事件なんですが

なぜか物語のスケール感が「ダヴィンチコード」よりも小さく感じてしまうのも謎を仕かけたのが現代の人間だという事に起因するのかもしれません。

 

もう一つの問題は「人類の危機」を招く「ある物」が作中でわりとボンヤリとした表現で進むのでリアリティを感じにくいというところにあるのかなという気もしています。

どういう効果が発生するのか、どういう風に人類に広がるのか、ここに緻密な描写があったらもっと焦燥感があったかもしれないなと思います。

 

「インフェルノ」はラングドン教授が逃亡する形で進むので、前二作よりもアクションが少し多めなので

謎解きは退屈と思ってしまう人には見やすくなっているかなとは思います。

「逃亡者」のラングドン教授版という感じでしょうか。

 

弱々しいラングドン教授を見てみたい方にはオススメ出来る映画です。