マヤと俺は幼なじみだ。

と言っても、仲良くなったのは中学に入ってからだけどね。

マヤとは2年と3年で一緒だった。クラスではたまに席替えとかするけど本当にこれが不思議でさ、2年間で半分くらいは隣同士になるんだ。お互い「腐れ縁だ~!」なんて言い合ってたけど、気が合った俺たちはいつも仲良しでね。恋の噂もたびたびあったんだぜ。

でもマヤはモテてたから彼氏が絶えることがなかったし、俺も他に好きな女がいたから実際に2人が結ばれることはなかった。

高校に入ってからは年賀状のやり取りくらいはしたが、しばらくしてそれも途絶えた。

2人が再会したのは成人式。

マヤは仕事もしてて、タバコも吸っててなんか一気に大人の女になっていた。

一方の俺は…まだまだガキだった。


そして彼女は23で結婚した。幼なじみは遠い存在になった。


今日、マヤの勤めるブランドショップに行き、マヤに久しぶりに会った。彼女は2児の母になっていた。

俺はマヤに年内に結婚することを伝えたら、凄く喜んでた。心なしか涙ぐんでるようにも思えた。


中学の時、隣の席ではしゃいでたマヤも今はすっかり苦労した顔になっていた。思えばあれからもう20年も経つ。

あの時のような純粋さをまだ持ってたら、また見えるものも違うのかもしれないけど。

喜んでくれてありがとう。お互い、幸せになる為、頑張ろうな。