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TRIGGER.004「蠱惑の罠!?炎のマジシャン登場!」
「ねえ聞いた?昨日のあのデュエル!」
「私見てたの!すごかったよあれ!」
「凪鎖先輩のあのデュエルやばかったな!」
「強すぎんだろ凪鎖先輩!」
「あとアイツ!」
「そうそう!…おっ、噂をすりゃなんとやら…」
―――チクショウ。
「栞ってあんなデュエル強かったんだな!」
「あんなん見たことなかった!」
「エンジェリング召喚だっけ?」
「かっこよかった!」
……学校、休めばよかった……。
~~~
「いっつも悪いな…送ってもらってさ」
「お前が起きないからだろうが……で、話をつけてくるのか?」
「うん、じゃあ行ってくる!任せとけ!」
「…心配だ……」
……さて、どうやって話しかけるか…中等部に行き来する廊下を使うか……目立つよなぁ…そうじゃなくても目立ってるのに。
「あいてっ!」
…誰だよおい、人が考え事してるのにぶつかったやつ。
「おいてめえ!」
「…?」
「……ほほう?転入生の灯櫂じゃねーか」
なるほどな、そういうヤツ。
「あらら?ぶつかってきて謝りもなしとは、思考能力は足りてるのかな?」
「なにィ!?…てめえ…覚悟はできてんのか……?」
「へえ…?」
そっちこそ、覚悟しろよ。
―――――――、
「ぎゃあぁぁぁあああああ!!!!!」
~~~
朝から周りが騒がしい……。
高等部じゃ喧嘩で不良が病院送りにされたらしいし、物騒な世の中だな。…俺が言えた義理じゃねえけど。
「なぁ栞!お前あんなデュエルするんだな!」
「………」
「俺らとデュエルしようぜ!」
「………」
「ズルい!私が先よ!」
「………」
騒がしい……、鬱陶しい……。
「ねーえ!」
「みんな!」
「!」
「委員長?」
……委員長?
「栞くん嫌がってるでしょ、やめなさいよ!」
「とか言って、実は栞とデュエルしたいんだろ」
「なっ!我慢するに決まってるでしょ!」
…本音だだ漏れじゃねーかよ。情けねーな委員長。
「とにかく、そんなに周りうろつかれたら迷惑だろうし、はい!解散!」
「えー!デュエルやるって言うまで私どかなーい!ねっ!遊・紗・く・ん!」
「触ってんじゃねえ!!」
「きゃっ!」
「なっ!!」
「おい栞!」
「女の子に手出すのは…」
汚え奴らばっかじゃねーかよ、なんなんだよ。
「今まで煙たがってたクセに、デュエル始めたらなんなんだよ………、凪鎖シュウと良い勝負したからか…!?だから群れてくんのかよ…!!……俺はな!テメーらみたいな連中といる空間そのものが嫌いなんだよ!俺に関わってくんじゃねえ!」
「んだと!!」
「おい最山やめろって!」
「栞くん!どこ行くの、もうすぐ授業始まるよ…?」
「知るか、少なくともテメーらみたいな煩い連中のいない場所だ」
「ちょっと……」
どうして周りの評価に惑わされなきゃいけないんだ…?俺がなにしたんだよ、デュエルし始めたから、共通のなにかを見つけたから群れるのか!?
ふざけんな…そんなこと、そんなこと、俺は………―――俺にはできない…!!
「……おや?」
「…………」
「また来たね、どうしたんだ」
「……話す義理なんかねえ……」
コイツに話したらまた余計な話聞かされるだけだって知ってる。…ま、どうせ話さなくても知ってんだろ。
「来てくれたのは嬉しいよ、俺も暇だったし」
「あっそ」
「……君はシュウによく似てる。俺と出会ったばっかりの頃のシュウに」
「………」
あんな奴と俺を一緒の目線で見てたなんて、なんかムカつく。
「いやぁ…シュウとああいう関係なのには理由があってね、シュウもあの日、初めてここに来た時に遊紗みたいな反応してたかな」
「……へー」
「ちょっとは、二人とも可愛げあるよね」
「なっ!?はぁ!?」
か、かかか可愛げってなんだよ!?年上だからって偉そうにしやがって!?
「君はシュウと似てるようで違ってる。君の方が自分を出せてないし、シュウの方が直情的だし…いや、遊紗もわりと直情的かな?」
「悪かったな」
「……でも、遊紗の方が優しいよ。彼は優しいんじゃなくて、儚いからね」
「……は?」
「いいや忘れてくれ、今のはジョークだ。……ははっ」
……儚いってなんだよ、つーか優しいって……そんなこと…。
「やぁ!」
「うわっ?!」
「……灯櫂先輩…?」
「あ、驚かせた?悪い悪い」
…ビビってねーけど、まさか入ってくるなんて思わなかったから…。
「遊紗に用があるんだけど、来てくれる?」
「…デュエルなら受けねーぞ」
「デュエルじゃない、ちょっとしたお話」
「どうする?」
「…はぁ…分かった」
~~~
「で、なんだよ」
「なんだよって、先輩に対してその言い方はないでしょ?」
勝手に呼び出したのはそっちだろうが……。
「はぁ…で、なんスか」
「砕けてるけどまぁ良いか……遊紗、この顔に見覚えは?」
「見覚えはって……アンタの顔しか…?」
いや……なんだろう……目に違和感が…カラーコンタクトか?これ…。
ということは……、
「アンタ、目の色隠してるな」
「そこまで見破られたかぁ…だけど、それだけじゃ分からないと思う!」
「分からないって……」
あと特徴なんて紫髪しか……。紫………、
「あ…、ああぁぁぁ!?」
「やっと気づいたかー、初見バレも致し方ないと思ってたんだけどなぁ」
そ、そんな…俺にデュエルを教えてたヤツが…女!?俺、女にデュエルを!?一生の恥…!
「まさか、あの家のは……」
「ん?まぁ、あの家の時の方が実際の姿だな」
「………女、だよな?」
「男、だが?」
……!!!!!????????
ちょっと待てよ?今目の前にいるのは灯櫂祈里、俺に教えたのが偽名だとしよう。
男…?えっ、待ってくれ、じゃあなんで女子の制服着てるんだ。確かに平らだし女にしてはでかいけども。
「お前女装趣味か…!?」
「違う。待ってろよ、すぐ『俺』に戻るから」
…マジかよ。
なんの理由かはともかくなんでまたこんなことに…。
い、いや、口から出任せに決まってる…!女の格好してわざわざ学校来てるヤツがまともなわけがない、いやまともであってほしくない。だから――――――、
「どうだ、参ったか」
「…参りました……」
うわぁぁ…このオッドアイとポニーテールは…間違いなく……、
「じゃあ改めて自己紹介を…俺は朽祈ヒカル、探し物があってこの世界にやってきた」
「この世界にやってきた……?なんで、お前はここに…」
「なんで学校通うのに偽名なんて使うんだよ、その端末で俺の名前調べてみろ」
これで…?そんな有名人なのかコイツ…テレビとか見ねーから知らなかった………!?
「これって…!」
ハートランド開催のデュエルアーチウォーズに優勝…スパルタンシティ主催のタッグトーナメントに優勝……どれもこれも100年以上前の記事…!?
…失踪事件……?まさか、コイツ本当に未来に…?
「そこにあるだろ?俺には不思議な力がある、その力で時を越えてこの世界に来た。失踪の文面が何よりの証拠だ」
「失踪……」
―――ハートランドシティで昨夜未明、プロデュエリスト・朽祈ヒカルのものと思われる手紙のようなものが発見された。
―――文面には「探し物を探してくる」とだけ綴られ、その後の行方は明らかになってはいない…。
「アンタ…マジかよ……」
「ここに来たのには大きな理由がある、聞いてくれないか?」
「…………」
過去の人間が探し物のためとか言って未来に来るなんて…どんな探し物を……。
「俺の探し物はどこを探してもなかった。過去の様々な世界を回っても、どこにもな」
「でも、それじゃあ今回も…」
「いや…確かに感じたんだ、その力を……お前がエンジェリング召喚した時に」
「…!」
エンジェリング召喚が…?
「お前のその力が、きっと俺の…いや、俺たちの力になってくれるはずなんだ」
「アンタ…たち……?」
「…頼む、この通りだ。俺たちに協力してほしい」
「………」
協力…?コイツに俺が……、得体の知れない化け物みたいなヤツに俺が手を貸すのかよ…。
「……危険に巻き込むかもしれないのは俺も重々承知だ。だけど、だからこそ…俺を信じてほしい。俺は…ただ守りたいもののために…ここに来ただけなんだ」
「――!」
…今、守りたいもののためって……言ったのか。
「誰かを傷つけることは、もうしたくないから…だから、お前が必要なんだ!エンジェリング召喚と、お前が!」
「…!」
―――きっと、彼は誰かを失ったんだ
……そうか、悪いやつじゃないんだな。
コイツも、俺と同じで…誰かを……。
「分かった」
「…!本当か!?」
「なんか昔の俺みたいでムカつくんだよ…」
「ありがと遊紗!」
「なっ!?なんだよ…この際言っとくけどな!お前が男って分かる前からお前のことだいっ嫌いだから!」
「やだな、ツンデレ!昔の俺みたいでムカつくんだよな?」
「…ちくしょー……」
……つか待てよ?デュエル大会で優勝しまくる実力者がここに一人…今日高等部で病院送りが一人……。
「な、なぁアンタ…」
「なんだよ」
「今朝の病院送りって…」
「…あぁ、それは『私』!」
「………」
…見た目の女々しさで気付かなかったけど、コイツめちゃくちゃ腹の中は黒そうだ……。
でも、誰かのためにっていうのは…マジなんだろうな…。
「さっきの通り、俺はつまるところ歴史上の有名人だ。だから名前と性別を偽ってる」
「なんで学校に?」
「お前に会うために決まってるだろ」
「はぁ!?」
ますますコイツのことがわからなくなってきた…。
「それと、俺については…ヒカルだ。アンタ、じゃない」
「…あっそ。じゃあ気楽に呼ぶから、ヒカル」
「……うん!」
…まだ信じきってるわけじゃない、普通人間がそんな時間を越えられるわけないし。でも、シュウみたいなヤツかもしれないって考えれば……自然なはずだ。
「栞くん!!」
「!」
「あっ…やばっ」
「授業サボって先輩と逢い引きのつもり?不純異性行為でもするつもりだったの?」
「んなわけねえだろ!なんでこんなおと…女と!」
「まぁまぁ遊紗も落ち着いて…」
そそくさ逃げて全部灯櫂祈里モードに戻してきたのかよ……なんかムカつく。
「呼び出したのは私、貴方は遊紗のクラスの?」
「はい、クラス委員長の焔ゆかりです。栞くんが迷惑かけてたならすいません」
「誰が迷惑だっての」
「なににしても、授業中に学校となんの関係のない案件で呼び出したのなら、迷惑です」
「そう、悪かったね。でも…見逃してほしいなぁ…ダメ?」
「ダメです」
年下にあっさり切り返される先輩男子…しかも状況的には…明らかに俺らが悪いみたいになってるし。
「こうやって探しに来て、発見したからには…諦めてください!」
「…どうすんだよ、これ」
「しょうがないなぁ…じゃあ悪いけどっ!」
「えっ!?」
な、こ、ここ屋上―――!!
「ウソ!?飛び降り?!」
「おまっ!殺す気か!!」
「黙れ、集中できない」
「集中って…おち―――!!」
…………あれ?
「なに驚いてんだよ、こっち!」
「お、おい!待てよ!」
「飛び降りて無傷!?ちょっ、待ってよ!!」
~~~
「おい!!」
「ここまで来たら大丈夫だな…」
「いや、そういう問題じゃねえだろ」
…もしかして、飛び降りて死ななかったのも、ヒカルの力…なのか?
「見つけました!」
「あっ…」
「追い付かれたか…」
「なんだよ、冷静だな」
「まぁ…早かったね、焔さん」
「逃げるなんて、なにか危ないことをやっぱり!?」
「してねえ!」
「まぁバレたからには、…そうだ!デュエルをしよう!」
「デュエル?」
って!いきなりデュエル申し込むとか、バカだろ!
「いや、だってデュエルすればなんとかなるらしいし…うん、私が勝ったら見逃してほしいな!」
「なるほど、分かりました。でも、勝つのは私です!」
「決まりだね」
い、良いのかよ…!!
「面白くなってきたね」
「センパイ、いつの間に…」
なんなんだこれ…、なんか完全に巻き込まれ型だな俺。
「はぁ…」
しゃーないか。
「それじゃあ、始めるとしましょうか!」
「手早く片付けちゃいますから!」
「女ってこえーな…」
「女性だからね」
とは言っても、片方は男なんだけどさ。
《Field set Duel Standby》
「「デュエル!!」」
「先攻はもらう!私はカードを1枚伏せ、《アトラの蠱惑魔》を召喚!」
《ATK:1800/level:4》
女のカードのデッキなんか使うのかアイツ…。
「アトラか…厄介だな」
「厄介?」
「見てれば分かるさ」
「ターンエンド!」
《hand:4》
「私のターン、ドロー!私は《曲芸獣 フレアライオ》を召喚!」
《ATK:1800/level:4》
こっちか獣族…まぁそうだな、委員長らしいと言えばらしいのか。
「フレアライオの効果発動!このモンスターを召喚したターン、私はもう一度通常召喚を行える!フレアライオをリリースし、《フレアバランサー・イグニート》を召喚!」
《ATK:2100/level:6》
モンスター効果で更に通常召喚権を増やしたのか…やるじゃん。
「彼女、わりとやるかもね」
「さっきから…どっちの味方だよ」
「さぁ」
「《フレアバランサー・イグニート》の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドの魔法・罠を1枚破壊する!これでアトラ以外はいなくなった!」
「………」
「行け!《フレアバランサー・イグニート》で、《アトラの蠱惑魔》を攻撃!ファイアーフープ!」
《Inori life:3700》
「…それだけ?」
「なっ…」
めちゃくちゃ強気だな……アイツ、余裕持ちすぎなんじゃ…。
「カードを二枚伏せてターンエンド!」
《hand:2》
「よし、行くよ!私のターン!魔法カード《誘い餌》!手札から二枚を相手に公開し、デッキからレベル4以下のモンスター2体を特殊召喚する!」
手札二枚は《漆黒の落とし穴》と《奈落の落とし穴》か……。
「デッキから、《アトラの蠱惑魔》と《トラヴィーの蠱惑魔》を召喚!」
《ATK:1800/level:4》
《ATK:0/level:1》
「一気に二体も!?でも、攻撃力が足りなければ…!」
「甘い、《トラヴィーの蠱惑魔》の効果!バトルする時、ダメージステップを行わずに相手モンスターを強制的に破壊する!行け!!」
「ウソ!?《フレアバランサー・イグニート》が!」
「更に、《アトラの蠱惑魔》でダイレクトアタック!」
「きゃっ!」
《Yukari life:2200》
強い…《トラヴィーの蠱惑魔》で相手を強制破壊して、他の蠱惑魔で総攻撃ってわけか…。
さっきの魔法カードもだけど、つまりは相手を誘い込んで油断させてから倒すってわけか。確かに厄介だな。
「カードを一枚伏せてターンエンド、悪いとは思うけどこのままじゃ勝てないよ」
《hand:3》
「っ……そんなこと分かってます!私のターン!!私は手札から魔法カード《炎の帰還ショー》を発動!このカードは、墓地のレベル6以下の炎属性モンスターを、攻撃力0で特殊召喚させることができる!蘇れ《フレアバランサー・イグニート》!」
《ATK:0》
攻撃力0でイグニートを…なにするつもりだ?
「こっからが本番!イグニートをリリースして、《ファイアー・マジシャン・シルフィード》を特殊召喚!」
《ATK:2600/Level:8》
「特殊召喚なら、アトラの効果発動!手札から、罠カードを発動できる!」
「残念だけどさせません!シルフィードの効果で、召喚時に相手は魔法・罠を発動できません!」
「っ!」
そうか、さっき《奈落の落とし穴》と《漆黒の落とし穴》が手札にあるのを気づいてこのモンスターを…!
「シルフィードの効果発動!手札から炎属性モンスター1体を墓地に送り、《アトラの蠱惑魔》を破壊して、その攻撃力を加えます!」
《ATK:4400》
「攻撃力4400か!」
「いっけえ!《ファイアー・マジシャン・シルフィード》で、《トラヴィーの蠱惑魔》を攻撃!フレアーハリケーン!!」
「罠発動《蠱惑の守り》!手札から《カズーラの蠱惑魔》と落とし穴と名のつくカード2枚を墓地に送り、カズーラの攻撃力分だけダメージを減らすことができる!」
《Inori life:100》
「耐えきった!?」
強い…っつーか、本当に何者だよコイツ…。
「さぁどうする?まだ、策はある?」
「た、ターンエンドです…」
《Hand:1》
《ATK:2600》
「私のターン、ドロー!…さて、そろそろ終わらせようか!」
終わらせるって…、手札が1枚でフィールド0じゃどうやって逆転するんだよ……。
「…なるほど」
「えっ?」
「魔法カード《シャイニーアクセル》を発動!フィールドにモンスターが存在しない時、墓地のレベル4以下のモンスターを二体までレベルを二倍にして特殊召喚できる!」
「うそ!?」
「復活しろ!アトラ、トラヴィー!」
《ATK:1800/Level:8》
《ATK:0/Level:8》
レベル8のモンスターが二体揃った……!
「私はレベル8になったアトラとトラヴィーで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!闇の中揺れる銀河の眼よ、その瞳輝かせ世界を光で満たせ!《煌轟竜 ギャラクティック・メテオ・ドラゴン》!」
《ATK:3000/Rank:8/ORU:2》
「モンスターエクシーズ……」
「すげえ…」
「……」
名前にあったすげえドラゴンだ…すごく、キレイな…。
「ギャラクティック・メテオ・ドラゴンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、墓地のモンスターを二体選択し、そのモンスターの攻撃力の合計分相手モンスターの攻撃力をダウンさせる!」
《ORU:1》
「そんな…!」
「私は墓地のアトラとカズーラを選択、攻撃力合計は2600、攻撃力は0だよ!」
《ATK:0》
「あぁ…!」
攻撃力を、あっさり0にしやがった……。
「行けっ!ギャラクティック・メテオ・ドラゴン、《ファイアー・マジシャン・シルフィード》を攻撃!ギャラクシアストリーム!!」
「っ!きゃああぁぁぁ!」
《Yukari life:0》
《Winner:Hikai Inori》
……すげえ強い…あれが灯櫂祈里…いや、朽祈ヒカルの実力……。
「大丈夫?」
「…は、はい」
「意地悪してごめんね、楽しかったよ、君とのデュエル」
「…ありがとう、ございます……約束なので、今回の件は言わないでおきますね」
「ありがとう」
「どう?彼女、強い?」
「強いに決まってる……あんなの、勝てるわけがない」
普通なら、いや、どう逆立ちしても今の俺たちじゃ無理なんだろうな……。
「無理と思わなければいつかきっと勝てるさ、きっと」
「緋式先輩……」
~~~
「今の異常反応はなんです!?」
「ただいま解析中です!」
「出ました!エクシーズ召喚です!!天使と似た数値ですが、高レベルなエクシーズ反応と思われます!」
「ただのエクシーズが、そこまで…?」
「……」
やはり、過去や異世界の産物が、この世界に現れているのか……ほう。
「一体どうなっているのですか………?社長?」
「外出だ」
「どちらに…?」
「初音学園、栞遊紗の元に向かう」
「栞遊紗の…?……畏まりました、管制室はお任せください」
「頼んだぞ、花沢」
もし彼が一連の騒動全てに関与しているなら……私の目に狂いはないはず。
栞遊紗―――、もしや彼が……。
ならば、行くしかあるまい。
5話へ続く
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【あとがき】
今回の一言「先輩正体隠す気/Zero」
ギャラクティックの新規キタ━(゚∀゚)━!無駄にカテゴリ化する気だこれー!!やったねヒカル!出番が増えるよ!(オイヤメロ
ゆかりちゃん?知らない子ですね?
托都に送り迎えされたり起こされたりするヒカルさんマジ見た目だけポンコツ。でも中身は現状最強である、何故だ。
ぅゎ祈里先輩蠱惑使いかよとか思わせといてエースモンスターはギャラクティックの新規モンスターとかいう隠す気ってなんですかと言ってるようにしか感じないデッキ構築の仕方、きっと托都に怒られたのは間違いないだろう。
ゆかりちゃんがまともな人なんじゃないかと期待させておいてデュエル脳発揮させる辺り私はもう遊戯王から逃れられない運命なのかもしれない、本望だけどもさ。
遊紗がこれをヒカルの実力かって勝手に納得してるけどヒカルさんもっと強いからね、さすがにプロデュエリストだしデッキ違うし、それは二期までお預けなんだけどね。
社長動く!(ニート的な意味ではない)ついにメイン回かな!?ワンステップ挟んだしもういいよね!!
花沢さんもビックリなエクシーズ反応とかヒカルさんなにしたの。ただのエクシーズ召喚だと信じたいけどこの人だから信じられない。
次回!!社長襲来!エンジェリング召喚で撃破せよ!?
ヒカルに協力すると言った遊紗はヒカルに様々な質問を投げ掛けていた。
ところがそれを邪魔するようにユートリアコーポレーションの社長・冴之馬トウマが現れ、デュエルを申し込まれる…!
【予告】
ヒカルと協力関係を結んだ遊紗は、ヒカルとその仲間である托都に様々な質問を投げ掛けていた。
過去の世界やこの世界に来た方法などを聞き、遊紗は意を決して「エンジェリング召喚」について問い掛ける。
そして、その話が終わった時、突如ユートリア・コーポレーションの現社長・冴之馬トウマが現れ、遊紗になんとアクションデュエルを申し込み…!?
次回!第5話「真なる力 エンジェリング召喚」
【本日のカード紹介】
《煌轟竜 ギャラクティック・メテオ・ドラゴン》
ATK:3000/DEF:2500/Rank:8/光属性/ドラゴン族/エクシーズ
①レベル8のモンスター×2
②このモンスターは闇属性としても扱う。
③1ターンに1度、ORUを1つ取り除き、墓地のモンスターカードを2枚まで選択することで、選択したモンスターの合計の攻撃力分相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を下げることができる。
④このモンスターが破壊された時、エクストラデッキから「ギャラクティック」と名のつくモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。
『作者からのコメント!』
灯櫂祈里こと、朽祈ヒカルの使う新「ギャラクティックドラゴン」モンスターです!!
攻撃力を下げる強力効果をうまく扱って相手を翻弄し、破壊された時、新たなモンスターを呼び出せます!
次回もヒカルと遊紗のストーリーに触れていきます!ぜひ、お楽しみください!
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TRIGGER.004「蠱惑の罠!?炎のマジシャン登場!」
「ねえ聞いた?昨日のあのデュエル!」
「私見てたの!すごかったよあれ!」
「凪鎖先輩のあのデュエルやばかったな!」
「強すぎんだろ凪鎖先輩!」
「あとアイツ!」
「そうそう!…おっ、噂をすりゃなんとやら…」
―――チクショウ。
「栞ってあんなデュエル強かったんだな!」
「あんなん見たことなかった!」
「エンジェリング召喚だっけ?」
「かっこよかった!」
……学校、休めばよかった……。
~~~
「いっつも悪いな…送ってもらってさ」
「お前が起きないからだろうが……で、話をつけてくるのか?」
「うん、じゃあ行ってくる!任せとけ!」
「…心配だ……」
……さて、どうやって話しかけるか…中等部に行き来する廊下を使うか……目立つよなぁ…そうじゃなくても目立ってるのに。
「あいてっ!」
…誰だよおい、人が考え事してるのにぶつかったやつ。
「おいてめえ!」
「…?」
「……ほほう?転入生の灯櫂じゃねーか」
なるほどな、そういうヤツ。
「あらら?ぶつかってきて謝りもなしとは、思考能力は足りてるのかな?」
「なにィ!?…てめえ…覚悟はできてんのか……?」
「へえ…?」
そっちこそ、覚悟しろよ。
―――――――、
「ぎゃあぁぁぁあああああ!!!!!」
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朝から周りが騒がしい……。
高等部じゃ喧嘩で不良が病院送りにされたらしいし、物騒な世の中だな。…俺が言えた義理じゃねえけど。
「なぁ栞!お前あんなデュエルするんだな!」
「………」
「俺らとデュエルしようぜ!」
「………」
「ズルい!私が先よ!」
「………」
騒がしい……、鬱陶しい……。
「ねーえ!」
「みんな!」
「!」
「委員長?」
……委員長?
「栞くん嫌がってるでしょ、やめなさいよ!」
「とか言って、実は栞とデュエルしたいんだろ」
「なっ!我慢するに決まってるでしょ!」
…本音だだ漏れじゃねーかよ。情けねーな委員長。
「とにかく、そんなに周りうろつかれたら迷惑だろうし、はい!解散!」
「えー!デュエルやるって言うまで私どかなーい!ねっ!遊・紗・く・ん!」
「触ってんじゃねえ!!」
「きゃっ!」
「なっ!!」
「おい栞!」
「女の子に手出すのは…」
汚え奴らばっかじゃねーかよ、なんなんだよ。
「今まで煙たがってたクセに、デュエル始めたらなんなんだよ………、凪鎖シュウと良い勝負したからか…!?だから群れてくんのかよ…!!……俺はな!テメーらみたいな連中といる空間そのものが嫌いなんだよ!俺に関わってくんじゃねえ!」
「んだと!!」
「おい最山やめろって!」
「栞くん!どこ行くの、もうすぐ授業始まるよ…?」
「知るか、少なくともテメーらみたいな煩い連中のいない場所だ」
「ちょっと……」
どうして周りの評価に惑わされなきゃいけないんだ…?俺がなにしたんだよ、デュエルし始めたから、共通のなにかを見つけたから群れるのか!?
ふざけんな…そんなこと、そんなこと、俺は………―――俺にはできない…!!
「……おや?」
「…………」
「また来たね、どうしたんだ」
「……話す義理なんかねえ……」
コイツに話したらまた余計な話聞かされるだけだって知ってる。…ま、どうせ話さなくても知ってんだろ。
「来てくれたのは嬉しいよ、俺も暇だったし」
「あっそ」
「……君はシュウによく似てる。俺と出会ったばっかりの頃のシュウに」
「………」
あんな奴と俺を一緒の目線で見てたなんて、なんかムカつく。
「いやぁ…シュウとああいう関係なのには理由があってね、シュウもあの日、初めてここに来た時に遊紗みたいな反応してたかな」
「……へー」
「ちょっとは、二人とも可愛げあるよね」
「なっ!?はぁ!?」
か、かかか可愛げってなんだよ!?年上だからって偉そうにしやがって!?
「君はシュウと似てるようで違ってる。君の方が自分を出せてないし、シュウの方が直情的だし…いや、遊紗もわりと直情的かな?」
「悪かったな」
「……でも、遊紗の方が優しいよ。彼は優しいんじゃなくて、儚いからね」
「……は?」
「いいや忘れてくれ、今のはジョークだ。……ははっ」
……儚いってなんだよ、つーか優しいって……そんなこと…。
「やぁ!」
「うわっ?!」
「……灯櫂先輩…?」
「あ、驚かせた?悪い悪い」
…ビビってねーけど、まさか入ってくるなんて思わなかったから…。
「遊紗に用があるんだけど、来てくれる?」
「…デュエルなら受けねーぞ」
「デュエルじゃない、ちょっとしたお話」
「どうする?」
「…はぁ…分かった」
~~~
「で、なんだよ」
「なんだよって、先輩に対してその言い方はないでしょ?」
勝手に呼び出したのはそっちだろうが……。
「はぁ…で、なんスか」
「砕けてるけどまぁ良いか……遊紗、この顔に見覚えは?」
「見覚えはって……アンタの顔しか…?」
いや……なんだろう……目に違和感が…カラーコンタクトか?これ…。
ということは……、
「アンタ、目の色隠してるな」
「そこまで見破られたかぁ…だけど、それだけじゃ分からないと思う!」
「分からないって……」
あと特徴なんて紫髪しか……。紫………、
「あ…、ああぁぁぁ!?」
「やっと気づいたかー、初見バレも致し方ないと思ってたんだけどなぁ」
そ、そんな…俺にデュエルを教えてたヤツが…女!?俺、女にデュエルを!?一生の恥…!
「まさか、あの家のは……」
「ん?まぁ、あの家の時の方が実際の姿だな」
「………女、だよな?」
「男、だが?」
……!!!!!????????
ちょっと待てよ?今目の前にいるのは灯櫂祈里、俺に教えたのが偽名だとしよう。
男…?えっ、待ってくれ、じゃあなんで女子の制服着てるんだ。確かに平らだし女にしてはでかいけども。
「お前女装趣味か…!?」
「違う。待ってろよ、すぐ『俺』に戻るから」
…マジかよ。
なんの理由かはともかくなんでまたこんなことに…。
い、いや、口から出任せに決まってる…!女の格好してわざわざ学校来てるヤツがまともなわけがない、いやまともであってほしくない。だから――――――、
「どうだ、参ったか」
「…参りました……」
うわぁぁ…このオッドアイとポニーテールは…間違いなく……、
「じゃあ改めて自己紹介を…俺は朽祈ヒカル、探し物があってこの世界にやってきた」
「この世界にやってきた……?なんで、お前はここに…」
「なんで学校通うのに偽名なんて使うんだよ、その端末で俺の名前調べてみろ」
これで…?そんな有名人なのかコイツ…テレビとか見ねーから知らなかった………!?
「これって…!」
ハートランド開催のデュエルアーチウォーズに優勝…スパルタンシティ主催のタッグトーナメントに優勝……どれもこれも100年以上前の記事…!?
…失踪事件……?まさか、コイツ本当に未来に…?
「そこにあるだろ?俺には不思議な力がある、その力で時を越えてこの世界に来た。失踪の文面が何よりの証拠だ」
「失踪……」
―――ハートランドシティで昨夜未明、プロデュエリスト・朽祈ヒカルのものと思われる手紙のようなものが発見された。
―――文面には「探し物を探してくる」とだけ綴られ、その後の行方は明らかになってはいない…。
「アンタ…マジかよ……」
「ここに来たのには大きな理由がある、聞いてくれないか?」
「…………」
過去の人間が探し物のためとか言って未来に来るなんて…どんな探し物を……。
「俺の探し物はどこを探してもなかった。過去の様々な世界を回っても、どこにもな」
「でも、それじゃあ今回も…」
「いや…確かに感じたんだ、その力を……お前がエンジェリング召喚した時に」
「…!」
エンジェリング召喚が…?
「お前のその力が、きっと俺の…いや、俺たちの力になってくれるはずなんだ」
「アンタ…たち……?」
「…頼む、この通りだ。俺たちに協力してほしい」
「………」
協力…?コイツに俺が……、得体の知れない化け物みたいなヤツに俺が手を貸すのかよ…。
「……危険に巻き込むかもしれないのは俺も重々承知だ。だけど、だからこそ…俺を信じてほしい。俺は…ただ守りたいもののために…ここに来ただけなんだ」
「――!」
…今、守りたいもののためって……言ったのか。
「誰かを傷つけることは、もうしたくないから…だから、お前が必要なんだ!エンジェリング召喚と、お前が!」
「…!」
―――きっと、彼は誰かを失ったんだ
……そうか、悪いやつじゃないんだな。
コイツも、俺と同じで…誰かを……。
「分かった」
「…!本当か!?」
「なんか昔の俺みたいでムカつくんだよ…」
「ありがと遊紗!」
「なっ!?なんだよ…この際言っとくけどな!お前が男って分かる前からお前のことだいっ嫌いだから!」
「やだな、ツンデレ!昔の俺みたいでムカつくんだよな?」
「…ちくしょー……」
……つか待てよ?デュエル大会で優勝しまくる実力者がここに一人…今日高等部で病院送りが一人……。
「な、なぁアンタ…」
「なんだよ」
「今朝の病院送りって…」
「…あぁ、それは『私』!」
「………」
…見た目の女々しさで気付かなかったけど、コイツめちゃくちゃ腹の中は黒そうだ……。
でも、誰かのためにっていうのは…マジなんだろうな…。
「さっきの通り、俺はつまるところ歴史上の有名人だ。だから名前と性別を偽ってる」
「なんで学校に?」
「お前に会うために決まってるだろ」
「はぁ!?」
ますますコイツのことがわからなくなってきた…。
「それと、俺については…ヒカルだ。アンタ、じゃない」
「…あっそ。じゃあ気楽に呼ぶから、ヒカル」
「……うん!」
…まだ信じきってるわけじゃない、普通人間がそんな時間を越えられるわけないし。でも、シュウみたいなヤツかもしれないって考えれば……自然なはずだ。
「栞くん!!」
「!」
「あっ…やばっ」
「授業サボって先輩と逢い引きのつもり?不純異性行為でもするつもりだったの?」
「んなわけねえだろ!なんでこんなおと…女と!」
「まぁまぁ遊紗も落ち着いて…」
そそくさ逃げて全部灯櫂祈里モードに戻してきたのかよ……なんかムカつく。
「呼び出したのは私、貴方は遊紗のクラスの?」
「はい、クラス委員長の焔ゆかりです。栞くんが迷惑かけてたならすいません」
「誰が迷惑だっての」
「なににしても、授業中に学校となんの関係のない案件で呼び出したのなら、迷惑です」
「そう、悪かったね。でも…見逃してほしいなぁ…ダメ?」
「ダメです」
年下にあっさり切り返される先輩男子…しかも状況的には…明らかに俺らが悪いみたいになってるし。
「こうやって探しに来て、発見したからには…諦めてください!」
「…どうすんだよ、これ」
「しょうがないなぁ…じゃあ悪いけどっ!」
「えっ!?」
な、こ、ここ屋上―――!!
「ウソ!?飛び降り?!」
「おまっ!殺す気か!!」
「黙れ、集中できない」
「集中って…おち―――!!」
…………あれ?
「なに驚いてんだよ、こっち!」
「お、おい!待てよ!」
「飛び降りて無傷!?ちょっ、待ってよ!!」
~~~
「おい!!」
「ここまで来たら大丈夫だな…」
「いや、そういう問題じゃねえだろ」
…もしかして、飛び降りて死ななかったのも、ヒカルの力…なのか?
「見つけました!」
「あっ…」
「追い付かれたか…」
「なんだよ、冷静だな」
「まぁ…早かったね、焔さん」
「逃げるなんて、なにか危ないことをやっぱり!?」
「してねえ!」
「まぁバレたからには、…そうだ!デュエルをしよう!」
「デュエル?」
って!いきなりデュエル申し込むとか、バカだろ!
「いや、だってデュエルすればなんとかなるらしいし…うん、私が勝ったら見逃してほしいな!」
「なるほど、分かりました。でも、勝つのは私です!」
「決まりだね」
い、良いのかよ…!!
「面白くなってきたね」
「センパイ、いつの間に…」
なんなんだこれ…、なんか完全に巻き込まれ型だな俺。
「はぁ…」
しゃーないか。
「それじゃあ、始めるとしましょうか!」
「手早く片付けちゃいますから!」
「女ってこえーな…」
「女性だからね」
とは言っても、片方は男なんだけどさ。
《Field set Duel Standby》
「「デュエル!!」」
「先攻はもらう!私はカードを1枚伏せ、《アトラの蠱惑魔》を召喚!」
《ATK:1800/level:4》
女のカードのデッキなんか使うのかアイツ…。
「アトラか…厄介だな」
「厄介?」
「見てれば分かるさ」
「ターンエンド!」
《hand:4》
「私のターン、ドロー!私は《曲芸獣 フレアライオ》を召喚!」
《ATK:1800/level:4》
こっちか獣族…まぁそうだな、委員長らしいと言えばらしいのか。
「フレアライオの効果発動!このモンスターを召喚したターン、私はもう一度通常召喚を行える!フレアライオをリリースし、《フレアバランサー・イグニート》を召喚!」
《ATK:2100/level:6》
モンスター効果で更に通常召喚権を増やしたのか…やるじゃん。
「彼女、わりとやるかもね」
「さっきから…どっちの味方だよ」
「さぁ」
「《フレアバランサー・イグニート》の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドの魔法・罠を1枚破壊する!これでアトラ以外はいなくなった!」
「………」
「行け!《フレアバランサー・イグニート》で、《アトラの蠱惑魔》を攻撃!ファイアーフープ!」
《Inori life:3700》
「…それだけ?」
「なっ…」
めちゃくちゃ強気だな……アイツ、余裕持ちすぎなんじゃ…。
「カードを二枚伏せてターンエンド!」
《hand:2》
「よし、行くよ!私のターン!魔法カード《誘い餌》!手札から二枚を相手に公開し、デッキからレベル4以下のモンスター2体を特殊召喚する!」
手札二枚は《漆黒の落とし穴》と《奈落の落とし穴》か……。
「デッキから、《アトラの蠱惑魔》と《トラヴィーの蠱惑魔》を召喚!」
《ATK:1800/level:4》
《ATK:0/level:1》
「一気に二体も!?でも、攻撃力が足りなければ…!」
「甘い、《トラヴィーの蠱惑魔》の効果!バトルする時、ダメージステップを行わずに相手モンスターを強制的に破壊する!行け!!」
「ウソ!?《フレアバランサー・イグニート》が!」
「更に、《アトラの蠱惑魔》でダイレクトアタック!」
「きゃっ!」
《Yukari life:2200》
強い…《トラヴィーの蠱惑魔》で相手を強制破壊して、他の蠱惑魔で総攻撃ってわけか…。
さっきの魔法カードもだけど、つまりは相手を誘い込んで油断させてから倒すってわけか。確かに厄介だな。
「カードを一枚伏せてターンエンド、悪いとは思うけどこのままじゃ勝てないよ」
《hand:3》
「っ……そんなこと分かってます!私のターン!!私は手札から魔法カード《炎の帰還ショー》を発動!このカードは、墓地のレベル6以下の炎属性モンスターを、攻撃力0で特殊召喚させることができる!蘇れ《フレアバランサー・イグニート》!」
《ATK:0》
攻撃力0でイグニートを…なにするつもりだ?
「こっからが本番!イグニートをリリースして、《ファイアー・マジシャン・シルフィード》を特殊召喚!」
《ATK:2600/Level:8》
「特殊召喚なら、アトラの効果発動!手札から、罠カードを発動できる!」
「残念だけどさせません!シルフィードの効果で、召喚時に相手は魔法・罠を発動できません!」
「っ!」
そうか、さっき《奈落の落とし穴》と《漆黒の落とし穴》が手札にあるのを気づいてこのモンスターを…!
「シルフィードの効果発動!手札から炎属性モンスター1体を墓地に送り、《アトラの蠱惑魔》を破壊して、その攻撃力を加えます!」
《ATK:4400》
「攻撃力4400か!」
「いっけえ!《ファイアー・マジシャン・シルフィード》で、《トラヴィーの蠱惑魔》を攻撃!フレアーハリケーン!!」
「罠発動《蠱惑の守り》!手札から《カズーラの蠱惑魔》と落とし穴と名のつくカード2枚を墓地に送り、カズーラの攻撃力分だけダメージを減らすことができる!」
《Inori life:100》
「耐えきった!?」
強い…っつーか、本当に何者だよコイツ…。
「さぁどうする?まだ、策はある?」
「た、ターンエンドです…」
《Hand:1》
《ATK:2600》
「私のターン、ドロー!…さて、そろそろ終わらせようか!」
終わらせるって…、手札が1枚でフィールド0じゃどうやって逆転するんだよ……。
「…なるほど」
「えっ?」
「魔法カード《シャイニーアクセル》を発動!フィールドにモンスターが存在しない時、墓地のレベル4以下のモンスターを二体までレベルを二倍にして特殊召喚できる!」
「うそ!?」
「復活しろ!アトラ、トラヴィー!」
《ATK:1800/Level:8》
《ATK:0/Level:8》
レベル8のモンスターが二体揃った……!
「私はレベル8になったアトラとトラヴィーで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!闇の中揺れる銀河の眼よ、その瞳輝かせ世界を光で満たせ!《煌轟竜 ギャラクティック・メテオ・ドラゴン》!」
《ATK:3000/Rank:8/ORU:2》
「モンスターエクシーズ……」
「すげえ…」
「……」
名前にあったすげえドラゴンだ…すごく、キレイな…。
「ギャラクティック・メテオ・ドラゴンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、墓地のモンスターを二体選択し、そのモンスターの攻撃力の合計分相手モンスターの攻撃力をダウンさせる!」
《ORU:1》
「そんな…!」
「私は墓地のアトラとカズーラを選択、攻撃力合計は2600、攻撃力は0だよ!」
《ATK:0》
「あぁ…!」
攻撃力を、あっさり0にしやがった……。
「行けっ!ギャラクティック・メテオ・ドラゴン、《ファイアー・マジシャン・シルフィード》を攻撃!ギャラクシアストリーム!!」
「っ!きゃああぁぁぁ!」
《Yukari life:0》
《Winner:Hikai Inori》
……すげえ強い…あれが灯櫂祈里…いや、朽祈ヒカルの実力……。
「大丈夫?」
「…は、はい」
「意地悪してごめんね、楽しかったよ、君とのデュエル」
「…ありがとう、ございます……約束なので、今回の件は言わないでおきますね」
「ありがとう」
「どう?彼女、強い?」
「強いに決まってる……あんなの、勝てるわけがない」
普通なら、いや、どう逆立ちしても今の俺たちじゃ無理なんだろうな……。
「無理と思わなければいつかきっと勝てるさ、きっと」
「緋式先輩……」
~~~
「今の異常反応はなんです!?」
「ただいま解析中です!」
「出ました!エクシーズ召喚です!!天使と似た数値ですが、高レベルなエクシーズ反応と思われます!」
「ただのエクシーズが、そこまで…?」
「……」
やはり、過去や異世界の産物が、この世界に現れているのか……ほう。
「一体どうなっているのですか………?社長?」
「外出だ」
「どちらに…?」
「初音学園、栞遊紗の元に向かう」
「栞遊紗の…?……畏まりました、管制室はお任せください」
「頼んだぞ、花沢」
もし彼が一連の騒動全てに関与しているなら……私の目に狂いはないはず。
栞遊紗―――、もしや彼が……。
ならば、行くしかあるまい。
5話へ続く
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【あとがき】
今回の一言「先輩正体隠す気/Zero」
ギャラクティックの新規キタ━(゚∀゚)━!無駄にカテゴリ化する気だこれー!!やったねヒカル!出番が増えるよ!(オイヤメロ
ゆかりちゃん?知らない子ですね?
托都に送り迎えされたり起こされたりするヒカルさんマジ見た目だけポンコツ。でも中身は現状最強である、何故だ。
ぅゎ祈里先輩蠱惑使いかよとか思わせといてエースモンスターはギャラクティックの新規モンスターとかいう隠す気ってなんですかと言ってるようにしか感じないデッキ構築の仕方、きっと托都に怒られたのは間違いないだろう。
ゆかりちゃんがまともな人なんじゃないかと期待させておいてデュエル脳発揮させる辺り私はもう遊戯王から逃れられない運命なのかもしれない、本望だけどもさ。
遊紗がこれをヒカルの実力かって勝手に納得してるけどヒカルさんもっと強いからね、さすがにプロデュエリストだしデッキ違うし、それは二期までお預けなんだけどね。
社長動く!(ニート的な意味ではない)ついにメイン回かな!?ワンステップ挟んだしもういいよね!!
花沢さんもビックリなエクシーズ反応とかヒカルさんなにしたの。ただのエクシーズ召喚だと信じたいけどこの人だから信じられない。
次回!!社長襲来!エンジェリング召喚で撃破せよ!?
ヒカルに協力すると言った遊紗はヒカルに様々な質問を投げ掛けていた。
ところがそれを邪魔するようにユートリアコーポレーションの社長・冴之馬トウマが現れ、デュエルを申し込まれる…!
【予告】
ヒカルと協力関係を結んだ遊紗は、ヒカルとその仲間である托都に様々な質問を投げ掛けていた。
過去の世界やこの世界に来た方法などを聞き、遊紗は意を決して「エンジェリング召喚」について問い掛ける。
そして、その話が終わった時、突如ユートリア・コーポレーションの現社長・冴之馬トウマが現れ、遊紗になんとアクションデュエルを申し込み…!?
次回!第5話「真なる力 エンジェリング召喚」
【本日のカード紹介】
《煌轟竜 ギャラクティック・メテオ・ドラゴン》
ATK:3000/DEF:2500/Rank:8/光属性/ドラゴン族/エクシーズ
①レベル8のモンスター×2
②このモンスターは闇属性としても扱う。
③1ターンに1度、ORUを1つ取り除き、墓地のモンスターカードを2枚まで選択することで、選択したモンスターの合計の攻撃力分相手フィールドのモンスター1体の攻撃力を下げることができる。
④このモンスターが破壊された時、エクストラデッキから「ギャラクティック」と名のつくモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する。
『作者からのコメント!』
灯櫂祈里こと、朽祈ヒカルの使う新「ギャラクティックドラゴン」モンスターです!!
攻撃力を下げる強力効果をうまく扱って相手を翻弄し、破壊された時、新たなモンスターを呼び出せます!
次回もヒカルと遊紗のストーリーに触れていきます!ぜひ、お楽しみください!