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ジェレスタ104「 銀 河 に 吹 く 風  ギ ャ ラ ク シ ー エ タ ー ナ ル 」




『ちょっとご主人なにしてるんですか!デュエル見なくていいんですか!?』
「……よしっ、ここなら平気かな」
『なにが?』
「タスキ!お願いがあるんだけど」
『なんですか』

もしできるなら……やるしかない…!

「お前の力でヒカルの記憶の世界に行けないかな?」
『はい!?……できます…よ…?』
「なら!」
『おすすめは…できませんけど……』

おすすめできないって……でもあの時いたのは…。

『他人の記憶ですから…繊細だし…壊れやすいんです、壊れたらその記憶は消えるし……』
「そ…そんなヤバいのか…」

でもあの時はなんにもなかったぞ!?……いや、そもそもあそこ自体になにもなかったか…な?

「だけど、それでも行かなきゃ!アイツが忘れてることがあるなら!」
『……分かりました、ご主人を送り届けましょう』
「よっしゃ!」
『ですが、送るのは記憶の世界ではありません』
「へ?」
『行けば分かりますから』

一体どこに……。いや、ビビっても仕方ねえ!

「やるしかねーじゃん!」


~~~


「俺のターン、ドロー!」

ギャラクシー・カオスは次のターン帰ってくる。今、カイトのフィールドががら空き…一気に攻める…!

「俺は《カオス・パージ ジャベリンスパイダー》を召喚!」
《攻撃力:1000/レベル:3》

「ジャベリンスパイダーは墓地のモンスター1体と除外し、特定の融合モンスターを特殊召喚する!俺はジャベリンスパイダーとドラゴプスを融合し、現れろ!《カオス・パージ ジャベリンドラゴン》!」
《攻撃力:2700/レベル:8》

はぁ…分からないな。あの時の続きをしてるようにしか見えない…。

「ジャベリンドラゴンの効果発動、デッキから5枚までドラゴン族モンスターを墓地に送る」

なにより……心がざわつく、集中できない、どうしてこんな肝心な時に…!!

「迷っているのか?それとも作戦が思い付かないのか?」

「…るっさい」


「アイツ、落ち着きねー奴だなぁ」
「落ち着いてはいるさ、いつも…な」


~~~


ーーーヒ…ル………レに…ったな…てそん………

ーーー…ち……んだ…けみ…

ーーー…カリも…ん……に…まれて…まっ…たのに…

ーーー…………

「…!今のは!?」

………ここに来るまでで見た、あれは…。
…カリ……ヒカリのことかな?そうだとしたら、ヒカルも…?

「おにーさん、おれのお母さんしらない?」
「えっ?お前……」

……ちっせえ……ちっちゃい……!!
ヒカルが俺より小さい!!髪が短い!!なにこれすごい…!!

「おにーさん!」
「…!あ、あぁ…ごめんな、知らないんだよ…」
「そっか…じゃあね!」

ハートランドの施設内を駆けていくヒカルを見ると今とは違う白と黄色と青のブカブカなパーカーをバサバサさせている。

…つか、ここどこ!?

『そこは彼の再現された過去の世界です』
「過去…?」
『はい。記憶の世界と違い、過去の世界なので例えば、ご主人が過去のヒカルさんに強烈なインパクトを残すくらいかそれ以上のタイムパラドックスさえ起こさなければ支障はないかと』
「な…なるほど…」
『というわけで彼の過去になにがあったのか、見てきてください』
「あのさ!さっきのノイズは?」
『あれは…彼の記憶が基準ですから…彼が覚えていないかあやふやか…ですね』

そんな状況ってことは、寝てたとかかな?
つか、それじゃあ根本的な理由は解決しないんじゃ………いや、ヒカルが自覚的な意味で忘れているだけで忘れたフリみたいな状態ならもしかして…。

「分かった!次行ってみる」

行くしかない、覚悟を決めて後ろに現れた光の鏡の中に入って行った。

~~~


「ジャベリンドラゴンでダイレクトアタック!!」

「っ!!」
《カイトのライフ:500》

呆気ないな、防いでくると思ったが。
だが、次のターンで銀河眼が戻ってくる…油断はできない。

「ジャベリンドラゴンの効果!バトルが成功した時、カードを1枚ドローする!カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
《手札:1》

「俺のターン、ドロー!この瞬間、銀河眼とギャラクシー・カオスはお互いのフィールドに帰還する!」
《攻撃力:3000》

《攻撃力:4000》

「俺は《銀河の魔導師(ギャラクシーウィザード)》を召喚!《銀河の魔導師》は1ターンに1度、レベルを8まで上昇させる!」
《攻撃力:0/レベル:4→8》

レベル8のモンスターが2体、来るか!

「俺はレベル8の銀河眼と《銀河の魔導師》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ《No.62 銀河眼の光子竜皇(ギャラクシーアイズプライムフォトンドラゴン)》!」
《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:2》

「すげえな!あれがミザエルの言ってたやつか!」
「ああ」

光子竜皇……敵にコイツがいると圧巻だな。
負けるわけにはいかないが、厄介だ。レベルを持つモンスターはコイツがいる限りランクも持つ。
俺のフィールドにはつまりランク7になったジャベリンドラゴンがいるってわけだな。
しかも……、

「光子竜皇の効果、全てのモンスターのランクを1つ上昇させ、1ランクにつき200ポイント攻撃力をアップする」
《攻撃力:9200》

「攻撃力…9200……」

「決まったな」
「………」

「行け!光子竜皇でギャラクシー・カオスに攻撃!エタニティフォトンストリーム!!」


~~~


「……?」
『おかしいですね…彼の記憶から外れています、これは誰の……』

気付いたら広々した家の中にいた。
外を見るに朝のように感じるけど……おかしいなぁ。

「おかあさん行ってきまーす!」

「やば!」
『ご主人!この世界、再現の世界じゃありません!しばらく待っててください!』
「お、おう!」

ガチャッと扉を開けて出てきたのはさっきと同じ、幼少期のヒカルだ。

「…!」

ヒカルは気づいてないみたいにすり抜けて玄関に向かっていき、外に行った。さっきまでの干渉できるような状態じゃないみたいだな。

「いってらっしゃい!」

「!あれが……ヒカルのお母さん…?」

紫の長い髪、確かに似てる。
でもヒカリがいないってことは、…生まれる前?

ーーバタン

「なに!?」
「どうしたんだ明美!」
「すごい物音が玄関から…」
「よし、見てくる…」

奥からお父さんらしき人も出てきた。その人が玄関を開け放つ、するとーーー。

「うわっ!!」

眩しくて目を閉じた、次に目を開いたら……リビング…夜か…?

「な、…なんなんだ…?」

「うっ……うぅ…ヒカルまで…アレになってしまうなんて…そんな…」
「落ち着くんだ明美」
「ヒカリもあんな体に生まれてしまったのに……」
「…………」
「今回のアレは…薬で治せない…おしまいだわ……」

アレって、なんだ?
ヒカリは病弱体質だってヒカルが言ってたけど、ヒカルは…。

「治せないなら、時をかけて死ぬ道しか残っていない……」
「……調べよう。助ける方法が、あるかもしれない」

「助ける……まさか…!!うわっ!」

また!今度はなんだってんだ!!

「……なん、だよ…ここ…」

『私を呼ぶのは、貴方ね』
「貴方が万能の神の一人なのですね…!」
『ええ、願いを叶えてほしいのでしょう?』
「はい…私の、息子を助けてください!このまま二人は!」
『捲し立てないで、分かったわ。でも、強力な力…封印しかできない…』
「封印…」
『片方、そう…上の子を助けましょう。あの呪いを封印してあげる……でも、』

「やっぱり……」

じゃあ…アフロティナは……。

「うわっ……!!」


~~~


「罠発動!《カオス・パージシールド》!自分フィールドの守備力が一番低いモンスターの守備力分ライフを払い、攻撃表示モンスターを全て守備表示に変更する!」
《守備力:3000》《守備力:1500》《守備力:3000》
《ヒカルのライフ:500》

「なるほど」

本来俺のデュエル…いや、デッキは攻守変更を使う。カイトから離れてだいぶ変わったが、やっぱりやり易い。

「次のターンに、決める!」

「カードを1枚伏せ、ターンエンド」
《手札:0》


~~~


「戻ってきた………」
『再現の世界に戻りました!ここからが正念場ですよ!』
「お、おう…!」

ハートランドタワーは音が響くって言うか、誰か走ってきたらすぐに分かる。

「ヒカルかな…」

隣の機械が大量にある場所に入っていったのを見て隠れながら追いかけた。

「カイトの強さ…きっと過去の映像を見たら分かるはず!」

その自信はどこから湧いてくるんだろ…まだ明るいよなぁ。

《銀河眼で攻撃!破滅のフォトンストリーム!!》
《うわぁぁぁぁ!!》
《フォトンハンド!!》
《がぁぁぁァァ……》

「なに……これも、これも…!カイトはなにして………!……知らなかった…カイトが、数年前にみんなの魂を奪ってたあのナンバーズハンターだったなんて…!」

「!」

ナンバーズハンター…!5年前にナンバーズを魂ごと奪ってたって…遊馬さんが言ってたけど、ヒカルは知らなかったんだ。

「カイト…なんで、なんでなんだよ!!隠さなくても…良かったのに…」
「…!おいなにしてんだヒカル!」
「ゴーシュ……」
「まさか…見たのか!?」
「……どうして隠してたんだよ」
「…まだお前は子供だからな…もう少し大人になったら教えるノリだったんだよ」
「…………」

これが、隠された記憶……。

「うん、忘れる!」
「そうか!分かったぜ!」

ーーー

「…!戻って、きたのか」

タスキがいるってことは現代だな。

『あれが彼の隠された記憶です』
「自分から忘れた理由、分かったぜ!」

思い出させるんだ、俺が…!

『あの記憶…あの力……いやまさか、…生き残りがいるわけないじゃないですか……』


~~~


次のターンで決めるとは言ったが、状況は最悪だ。
攻撃力9200とかいう意味のわからない数値と、計算が正しければ破壊されても恐らく2ターン後に蘇生する理解するのにだいぶ時間がかかった効果か…面倒だ。

「俺のターン!……」

《永久の銀河(ギャラクシーエターナル)》…か。入れた覚えはないがアリスだな。また勝手に人のデッキをーーー…。

ーーーこれ、カイトからな

ーーーなにこれ?

ーーー次はこれ使って勝ってみろだとよ!

ーーー……

そうだ、このカードは…。

「ヒカルー!!」

「!なんだ遊矢、いきなり叫ぶな」

「そのカード…カイトさんからもらったやつだろ?」

「……何故知ってるんだ」

「見てきたんだよ!2年前になんでヒカルがカイトさんを軽蔑するようになったかをさ!」

記録も残ってないことを見るなんてどうやったかはもう気にしないとして、なにを考えてるんだ遊矢は。

「気持ちは分かるぜ、俺だって最初遊馬さんに聞いたときにビックリっつーか、ビビったっていうか…?」

「…遊馬さん……?」

なんの話だ?

『まだ汝は解らんのか、ジンロンの言う通り、偏屈な奴だ』

「!」

『我が主である以上、汝の考えくらいは手に取るように分かる』

ギャラクシー・カオスが…喋った…!?

『我もヌメロンドラゴンに通ずる竜の一体、ジンロン…ドラッグルーオンのように人間の姿を持たぬとはいえ、汝に声を聴かせることは出来る』

…考えがお見通しっていうのは本当みたいだな。

『汝はなにを忘れ改竄したかも解らぬ愚か者だったのだな』
「なんの話だ」
『自らの憧れのため、デュエルのせいにした愚か者だと言ったのだ』
「なんだそれ…まるで俺がカイトに憧れ抱いてるみたいな…」
『事実だろう』

………。

『憧れのデュエリストの正体を知り、身勝手に事実を改竄して満足したか?』
「……」
『デュエリストがデュエルを使って随分と自分勝手なことをしたな』
「たかがカードの精霊になにが分かるんだよ」
『解る。汝も、本当は事実を伝えたいのだろう』
「!」

コイツ、なんでこんなことまで…!

『伝えねばならぬなら、デュエルで伝えるのだ。我が主よ…そのためならば、我はいくらでも力を貸すとしよう』

…あの日、カイトの正体を知った時にやらねばならないことは分かった。
忘れなければ離れていく、初めて会った時から憧れていたデュエルができなくなる。

なら、自分から離れてしまえばいいと。

「だからー!」

「もういい遊矢」

後輩からの説教を聞く義理はない。
今分かった。
正体を知ったところで、過去の話。許されることではないけれど、俺だって似たようなことをしてきたじゃないか。
心に収めておけば何事もなかった。
だが、こうならなければ遊矢に逢うこともなかっただろうな。
感謝するぜ、カイト「さん」。

このターンが最後のチャンス。
憧れの、最強のデュエリストを俺が倒す!

「顔つきが変わったな」
「あぁ、楽しそうじゃねえか」

「魔法カード《永久の銀河》を発動!このカードはギャラクシーと名の付くモンスターエクシーズを選択し、ランクの1つ高いギャラクシーモンスターを特殊召喚する!」

「ランクアップか!!すっげえ!」

「ギャラクシー・カオスを素材とし、ギャラクシーエクシーズチェンジ!光輝く翼、闇を司る瞳の竜よ、銀河の竜皇に混沌の力を放て!現れろ!《ギャラクシー・カオス・エターナルドラゴン》!」
《攻撃力:4000/ランク:9/ORU:1》

ギャラクシー・カオス・エターナル………これがランクアップしたギャラクシー・カオスの力なのか…。

「攻撃力は4000、それでは光子竜皇には届かないぞ」

「甘いな、ギャラクシー・カオス・エターナルはオーバーレイユニットを1つ使い、相手モンスター1体の効果を発動できる!光子竜皇の効果を発動!これで攻撃力は9200だ!」
《攻撃力:9200/ORU:0》

「行け!ギャラクシー・カオス・エターナルで光子竜皇を攻撃!永久のカオスストリーム!!」

「罠発動!《銀河の深淵穴(ギャラクシーブラックホール)》!相手モンスターの攻撃を無効にし破壊する!!」

「ジャベリンドラゴンの更なる効果!このモンスターをリリースし、罠カードの発動を無効にし、破壊する!」

これで引き分け……だが…!

「これでお互い手札もフィールドも0の状態。次のターンに攻撃力500以上のモンスターをドローすれば俺の勝ちだ」

「…いや、」

「あれは!!」
「ギャラクシー・カオス!!」

「ギャラクシー・カオス・エターナルが破壊された時、墓地のレベル4以下のドラゴン族の数と同じレベルかランクのドラゴン族モンスターを特殊召喚する」
《攻撃力:4000/ORU:0》

「……成長したな」

「行けっ!ギャラクシー・カオスでダイレクトアタック!ヴァーミリオンストリーム!!」

《カイトのライフ:0》

《WIN:朽祈ヒカル》

………勝った、初めてカイトに…勝ったんだ。

「すっげえヒカル~!!」
「うわっ!」

「負けたな」
「あぁ、俺の完敗だ………(《フォトン・スラッシャー》か…)…ふっ…」
「カイト、」
「…俺の敗けだ。強くなったな、ヒカル」
「いや、これはカイトからもらった力だ。次は必ず俺だけの力で勝つ!」

そして、次はプロの場で………いや、なにを考えてるんだ俺は…。

「それと…」
「……?」
「悪かった、俺が…その………!」
「なにも言うな、分かってる」
「……っ…ごめん」

「良かったな、二人とも!」
『ご主人のおかげでもありますね!』

「言っておくが、遊矢はただ説教垂れてただけだぞ?」

「は…?」
『まさか……』

「俺がそこの狐、見えてないと思ったのか?」

「…………」

まぁ、実は鏡とのデュエルの後からだが、それは遊矢に言わないでおこう。

「あ……はは~」

「と、言うわけで…人の過去を勝手に詮索したバカなアンコウ頭には、ちょっとお仕置きが必要じゃないか?」

「あ~…タスキ逃げるぞ~!」
『アイアイサーです!ご主人!』

「待て遊矢!!」

「仲が良いな」
「あぁ、懐かしい光景を見ているようだ」


~~~


『な…!ポセイラが!?』

『ええ、消滅したわ』

『アイツが……一体誰が…誰がやった!!』

『風雅遊矢…』

『…やはりアイツか…クソッ!!』

『もう一人、』

『!』

『天領大河』

『天領大河………分かった…!』

覚悟しろ、風雅遊矢、そして天領大河…!
ポセイラの仇は…俺が取る!





105話へ続く

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【あとがき】

今回の一言、「キェェェェァァァシャベッタァァァ」。
光子竜皇のアニメ効果マジワケわからん。なにあれテキストの暴力過ぎ笑えない。

これにてヒカルとカイトは和解です、和解したけどこの後遊矢は腹蹴られました。痛い。
ドラゴンを墓地に送る簡単な作業だけどミザエルが絶対に激おこでしょ(確信)。絶対ミザエルには伝えてはいけない。
そして三期の全貌が見え隠れし始めました。壮絶な親バカ、しかもこの後(数話後)の托都の行動が「おい」としか言えないかもしれない。後先考えないのは遊矢に似てるわ。

次回!楽しかったぜぇ~wwお前との友情ごっこ~wwwww遊矢と大河の変則タッグデュエル!!
イグランジアに唆されたゼウラにアミが誘拐された!遊矢と大河でアミを取り戻せ!!
そして、第二の神が登場!

【予告】
遊矢になついた謎の少年、天領大河。
彼を知ろうと情報を集めるアミは現れた神の五王の一人・ゼウラに果敢にも挑むアミはゼウラの操る強力な神の力に敗れてしまう。
ゼウラの使いから「アミを助けたくば天領大河を連れてデュエルしろ」と聞いた遊矢は一人でゼウラの元に向かうが…。
次回!第105話「天王の逆鱗!遊矢と大河 友情のタッグデュエル!」